誤嚥性肺炎への対応で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
就寝時にベッドの頭側を軽度挙上することで、胃内容物の逆流性食道炎のリスクを低減し、夜間の不顕性誤嚥を防ぐことができます。これは、誤嚥性肺炎の予防策として広く推奨されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 食事直後に臥位になると、胃内容物の逆流やそれに伴う誤嚥のリスクが高まります。正しくは:食事後は座位を保ち、消化を促し、誤嚥のリスクを減らす必要があります。少なくとも食後30分から1時間は座位を保つことが推奨されます。選びやすい理由:食事後に休憩することは一般的に良いことと誤解されがちですが、誤嚥性肺炎患者においては姿勢が重要です。混同注意:一般的な食後の休憩と、誤嚥予防のための適切な食後姿勢の重要性。
- 2. 酸素投与中であっても、病状が安定していれば、誤嚥性肺炎患者の活動性を維持することは重要です。過度なベッド上安静は、筋力低下、嚥下機能低下、さらには他の合併症のリスクを高めます。正しくは:病状に応じて、離床やリハビリテーションを早期から開始し、活動性を維持・向上させることが推奨されます。酸素投与中でも、医師の指示に基づき必要な活動を行うべきです。選びやすい理由:呼吸状態が悪いため、安静にするべきだと思いやすいです。混同注意:急性期の重篤な呼吸不全と、安定期の酸素療法中の活動。
- 3. 絶飲食中であっても、口腔内には細菌が繁殖しやすく、唾液などを介して誤嚥性肺炎のリスクとなります。口腔ケアは、これらの細菌の増殖を抑制し、誤嚥性肺炎の予防に不可欠です。正しくは:絶飲食中こそ、丁寧な口腔ケアを定期的に実施し、口腔内を清潔に保つ必要があります。選びやすい理由:食事を摂らないのだから、口腔内が汚れることも少ない、と考えてしまいがちです。混同注意:口腔ケアが食事後の残渣除去のみを目的としているという誤解と、口腔内の常在菌の管理が重要であるという事実。
- 4. 正解。ベッドの頭側を軽度挙上することで、胃内容物の逆流を抑制し、夜間の不顕性誤嚥のリスクを軽減する効果があります。これは誤嚥性肺炎の予防に有効な対策の一つです。
- 5. 総エネルギー必要量は、個々の患者の年齢、性別、体重、身長、活動レベル、基礎疾患、そして代謝亢進の有無など、多くの要因を考慮して算出されます。肺炎の重症度も影響はしますが、それだけで算出するものではありません。正しくは:患者の個別性(基礎代謝量、活動量、疾患によるストレス係数など)を総合的に評価して、適切なエネルギー量を算出すべきです。選びやすい理由:肺炎の重症度が栄養状態に影響を与えるため、関連があると思ってしまいがちです。混同注意:疾患の重症度が栄養状態に影響を与えることと、エネルギー必要量の計算根拠。
国試ポイント
誤嚥性肺炎患者の日常生活における具体的な対応策や予防策に関する知識が問われています。特に、食事の姿勢、口腔ケアの重要性、活動性の維持、栄養管理といった多角的な視点から、正しい知識が求められます。
混同注意
誤嚥性肺炎の管理では、食事と直接関係ないように見える口腔ケアや体位管理も非常に重要であるため、その重要性を見落としやすい。また、急性期と慢性期での対応の違いを混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に類似の論点が出題された場合、誤嚥性肺炎の急性期・回復期・維持期の各段階に応じた看護・リハビリテーションの具体策、特に日常生活動作(ADL)への介入方法や、多職種連携における作業療法士の役割が問われる可能性があります。
関連知識
誤嚥性肺炎の主な原因、嚥下機能評価(VF、VEなど)、嚥下訓練、食事形態の調整、口腔衛生の重要性、摂食・嚥下リハビリテーション、胃食道逆流症の管理、肺炎の重症度分類(A-DROPなど)とそれに応じた栄養管理の原則。