認知症の新しいスクリーニング検査法の精度を検証するために、1,000人の高齢者に検査を施行したところ以下のような結果が得られた。この検査法の特異度はどれか。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
| 認知症 | 計 | |||
|---|---|---|---|---|
| あり | なし | |||
| 検査 | 陽性 | 40 | 50 | 90 |
| 陰性 | 10 | 900 | 910 | |
| 計 | 50 | 950 | 1,000 | |
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
特異度とは、真に陰性の集団の中から、検査で陰性と判定される割合を示す指標です。本ケースでは、認知機能の低下がない真の健常者900人のうち、検査で陰性と判定されたのは855人です。したがって、特異度は855 ÷ 900 × 100 = 95%となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 誤り。これは偽陽性率であり、特異度ではない。正しくは:特異度は95%である。選びやすい理由:偽陽性率(真の陰性者のうち検査で陽性となった割合)と混同した可能性がある。900人中45人が偽陽性であるため、45/900=0.05=5%となる。混同注意:偽陽性率
- 2. 誤り。これは感度(真の陽性者のうち検査で陽性と判定された割合)であり、特異度ではない。正しくは:特異度は95%である。選びやすい理由:感度と混同した可能性がある。真の陽性者100人中44人が検査で陽性であるため、44/100=0.44=44%となる。混同注意:感度
- 3. 誤り。これは陰性反応的中度(検査で陰性と判定された人の中で真に陰性の割合)であり、特異度ではない。正しくは:特異度は95%である。選びやすい理由:陰性反応的中度と混同した可能性がある。検査陰性者100+855=955人中、真の陰性者が855人であるため、855/955=0.895...≒90%と近い数字になる可能性もあるが、本選択肢は異なる数値である。混同注意:陰性反応的中度
- 4. 正解。正しい。特異度は、認知機能の低下がない健常者(真の陰性者)が900名、そのうち検査で陰性と判定された人が855名であるため、855 ÷ 900 × 100 = 95%となる。選びやすい理由:計算ミスがなければ、定義に従って正しく導き出せるため、迷うことは少ない。混同注意:特に混同する可能性は低いが、感度や的中度との定義の違いを常に意識する必要がある。
- 5. 誤り。これは検査全体の陰性率であり、特異度ではない。正しくは:特異度は95%である。選びやすい理由:検査全体の陰性率と混同した可能性がある。検査全体1000人中、検査で陰性判定されたのは45人+855人=900人であるため、900/1000=0.9=90%となる。混同注意:検査全体の陰性率
国試ポイント
感度・特異度・陽性反応的中度・陰性反応的中度の定義と計算方法を正確に理解し、混同せずに使いこなせるようにする。
混同注意
感度(真に陽性の集団から検査で陽性と判定される割合)や陽性反応的中度(検査で陽性と判定された人の中で真に陽性の割合)と混同しやすい。それぞれの分母と分子を正確に覚えることが重要である。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合は、まず2×2の分割表を作成し、「真の陽性」「真の陰性」「偽陽性」「偽陰性」の各数を正確に把握する。次に、求められている指標(感度、特異度、陽性反応的中度、陰性反応的中度など)の定義に基づき、適切な分母と分子を選択して計算する。
関連知識
スクリーニング検査の評価指標としては、感度、特異度の他に、陽性尤度比、陰性尤度比、診断オッズ比などがある。有病率によって陽性反応的中度・陰性反応的中度が変動することも理解しておく。