杖歩行を行う左片麻痺患者の、常時2点支持歩行の歩き出しで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
左片麻痺患者の杖歩行では、麻痺側である左脚の免荷と支持性向上が重要です。常時点支持歩行の開始では、最初に杖を前方に移動させて支持基底面を拡大し、次に麻痺側下肢(左脚)を杖の近くに進めて体重を支え、最後に健側下肢(右脚)を前方に振り出して推進力を得るのが正しい順序です。これにより、麻痺側下肢への負担を軽減し、安定した歩行を促します。
選択肢ごとの解説
- 1. 左脚が最初に来ることは、麻痺側を最初に動かすことになり、支持性が不安定になります。正しくは:杖を最初に出し、支持基底面を確保することが優先されます。選びやすい理由:麻痺側を意識することから、麻痺側から動かすのではないかと誤解することがあります。混同注意:歩行時の推進力の源が麻痺側から来ると誤解している場合。
- 2. 右脚が最初に来ることは、健側を最初に動かすことになり、麻痺側への支持が不十分なまま動いてしまうため不安定です。正しくは:杖で支持基底面を拡大し、麻痺側を先に動かすことで安全性を確保します。選びやすい理由:健側から動かす方が楽だと感じるため、歩行開始時も健側からと誤解することがあります。混同注意:健常者の歩行や、麻痺がない場合の歩行順序と混同している場合。
- 3. 左脚が最初に来ることは、麻痺側を最初に動かすことになり、支持性が不安定になります。また、杖が最後では支持基底面を拡大する役割を果たせません。正しくは:杖、麻痺側下肢、健側下肢の順が正しいです。選びやすい理由:麻痺側と健側の順を意識するものの、杖の役割を軽視してしまうことがあります。混同注意:杖の使用目的や歩行メカニズムの理解が不十分な場合。
- 4. 正解。杖を最初に前方に移動させて支持基底面を拡大し、次に麻痺側下肢(左脚)を杖の近くに進めて体重を支え、最後に健側下肢(右脚)を前方に振り出して推進力を得る。この順序が麻痺側への負担を軽減し、安定した歩行を促すため正しいです。選びやすい理由:正しい知識を持っている場合は、これが最適であると判断できます。混同注意:特に混同するものはありませんが、他の選択肢との比較で確信を持つ必要があります。
- 5. 杖の次に健側(右脚)が来ることは、麻痺側への支持が不十分なまま健側を動かしてしまうため、不安定になります。麻痺側を先に動かすことで、杖と麻痺側で体重を支持できます。正しくは:杖の次に麻痺側下肢を動かすことで、麻痺側への支持と安定性を確保します。選びやすい理由:杖の次に楽な健側を動かしたいという心理から選びやすいですが、麻痺側への配慮が不足しています。混同注意:杖歩行の目的が麻痺側への免荷・支持であることを理解できていない場合。
国試ポイント
片麻痺患者の杖歩行における、麻痺側と健側、杖の役割と順序付けを理解することが重要です。
混同注意
通常の三点歩行と混同しやすいですが、片麻痺患者では麻痺側への支持が必要なため、杖と麻痺側下肢の組み合わせを考慮します。二点歩行、四点歩行との違いも整理しましょう。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合は、「麻痺側(または患側)の脚を支持するために、杖を先に出す」という原則と、「麻痺側(患側)の次に健側が続く」という順序に注目して判断します。
関連知識
三点歩行は、杖、患肢、健肢の順に動かす歩行様式です。四点歩行は、杖、患肢、杖、健肢のように順に支持基底面を移動させる歩行様式です。歩行器使用時の歩行順序や、階段昇降時の順序も合わせて覚えると良いでしょう。