65歳の女性。台所の段差でつまずき転倒し、左大腿骨近位部骨折。後方進入法にて人工骨頭置換術を施行し、自宅退院に向けて作業療法を開始した。この患者のADL指導の内容で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
後方進入法による人工骨頭置換術後は、股関節の屈曲・内転・内旋の組合せで脱臼しやすくなります。2(足の爪を切る)は、股関節を外転・外旋させて足部を体の前に引き寄せる姿勢で行っており、脱臼肢位を避けた方法です(公式正答2)。深くかがむ動作(靴下を履く、床の物を拾う)は股関節の過度な屈曲を伴うため避けるよう指導します。
選択肢ごとの解説
- 1. 椅子座位で体幹を深く前屈して靴下を履く動作は股関節の過度な屈曲を伴い、後方脱臼の危険があります。ソックスエイドなどの自助具を用いるよう指導します。正しくは:行動の直前に「〇〇をしたら褒める」など具体的な行動目標と報酬を設定し、成功体験を積ませる。選びやすい理由:一般的な学童への対応としては適切に見えるが、ADHDの特性を持つ男児への優先的な支援としては適切ではない。混同注意:一般的なしつけや教育的アプローチ。
- 2. 正解。股関節を外転・外旋させ、足部を手前に引き寄せて爪を切る方法は、後方進入法の脱臼肢位(屈曲・内転・内旋)を避けた動作です。選びやすい理由:一見、叱責と受け取られかねないが、目的は行動の振り返りと自己認識の促進にあるため、適切な声かけで行えば有効な支援となる。混同注意:単なる叱責。
- 3. 図では患側(左)の下肢から階段を昇っています。昇段は健側(右)の下肢から行うのが原則です。正しくは:短時間で明確な指示を伴う構造化された遊びを取り入れ、成功体験を積ませる。選びやすい理由:遊びは子どもの発達に重要であると一般的に考えられるため。混同注意:一般的な子どもの遊び。
- 4. 図では杖を患側(左)の手で持っています。杖は健側(右)の手に持ち、患側下肢への荷重を軽減するよう指導します。正しくは:集団活動においては、個々の役割を明確にし、他者との協調性を促すような具体的な指導を行う。選びやすい理由:責任感を持たせることは良いことだと一般的に考えられるため。混同注意:子どもの自主性を尊重する教育方針。
- 5. しゃがみ込んで床の物を拾う動作は股関節の深い屈曲を伴い、後方脱臼の危険があります。リーチャーの使用などを指導します。正しくは:持ち物を置く場所を固定する、視覚的なチェックリストを使用するなど、忘れ物を防ぐための具体的な工夫を本人と一緒に考える。選びやすい理由:自分で管理させることは自立を促すという一般的な考え方があるため。混同注意:自立を促す教育。
国試ポイント
後方進入法の人工骨頭置換術後の脱臼肢位(屈曲・内転・内旋)を理解し、ADL指導に生かせるかが問われます。
混同注意
前方進入法では伸展・内転・外旋が脱臼肢位となり、注意すべき肢位が異なります。