依存性薬物で重篤な離脱症状がみられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
モルヒネ(オピオイド系)とベンゾジアゼピン系薬剤は、いずれも強力な身体依存性を有しており、中止または減量により重篤な離脱症状を引き起こすことが知られています。モルヒネの離脱症状は発汗、筋肉痛、嘔吐、下痢など、ベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状は痙攣、せん妄、精神病症状などが特に危険です。大麻、覚醒剤、コカインは精神的依存が強いですが、身体的な離脱症状の重篤性はモルヒネやベンゾジアゼピン系薬剤ほどではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 大麻にも精神的な依存性はありますが、モルヒネやベンゾジアゼピン系薬剤と比較すると、身体的な重篤な離脱症状は一般的に少ないとされています。正しくは:大麻の離脱症状は不眠、いらつき、食欲不振などが主で、生命を脅かすような重篤性はありません。選びやすい理由:一般的な薬物乱用という認識から、すべての依存性薬物に重篤な離脱症状があると考えてしまうかもしれません。混同注意:アルコールやベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状の重篤性と混同しやすいです。
- 2. 覚醒剤は強い精神的依存を引き起こしますが、身体的な離脱症状は比較的軽度か限定的で、重篤な状態に陥ることは稀です。主な離脱症状は倦怠感、抑うつ、過眠などです。正しくは:覚醒剤の離脱症状は精神的な不快感が主であり、身体的な重篤性は低いとされています。選びやすい理由:強い精神依存や乱用による社会的影響の大きさから、身体的にも重篤な離脱症状があると誤解しやすいです。混同注意:アルコールやオピオイドの身体的離脱症状と混同しやすいです。
- 3. コカインは強い精神的依存を形成しますが、覚醒剤と同様に身体的な重篤な離脱症状は少ないとされています。主な離脱症状は抑うつ、疲労感、不快気分などです。正しくは:コカインの離脱症状は精神的な不快感が主であり、身体的な重篤性はありません。選びやすい理由:メディアなどでの報道から、すべての違法薬物に重篤な離脱症状があると考えてしまう可能性があります。混同注意:オピオイドやベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状の重篤性と混同しやすいです。
- 4. 正解。モルヒネはオピオイド系薬剤であり、身体依存性が強く、使用を中止すると悪心、嘔吐、下痢、筋肉痛、発汗、瞳孔散大などの重篤な身体的離脱症状を引き起こします。これらの症状は非常に苦痛を伴い、適切な管理がないと生命に関わる場合もあります。
- 5. 正解。ベンゾジアゼピン系薬剤は抗不安作用や催眠作用を持つ薬剤で、長期的な使用により強い身体依存を形成します。急な中断は、不眠、不安の増悪、振戦、痙攣、せん妄、精神病症状などの重篤な離脱症状(ベンゾジアゼピン離脱症候群)を引き起こし、生命に関わることもあります。
国試ポイント
薬物依存における身体的離脱症状の重篤性を問う問題です。特に、オピオイド系薬剤とベンゾジアゼピン系薬剤の離脱症状の危険性を正確に理解しているかが鍵となります。精神依存と身体依存の違い、およびそれらによって引き起こされる症状の種類と重篤度の違いを弁別できることが求められます。
混同注意
精神依存が強い薬物(例: 覚醒剤、コカイン)と、身体依存が強く重篤な離脱症状を呈する薬物(例: オピオイド、ベンゾジアゼピン系)の区別が曖昧になりやすいです。また、アルコールの離脱症状の重篤性とも比較検討されることが多いです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各依存性薬物の具体的な離脱症状の内容、あるいはその症状に対する薬理学的治療法が問われる可能性があります。また、治療における作業療法の役割についても関連付けて問われることも考えられます。
関連知識
薬物依存の種類(身体依存、精神依存)、各薬物群(オピオイド、ベンゾジアゼピン、アルコール、覚醒剤、大麻、コカインなど)の作用機序、乱用、急性中毒症状、離脱症状の種類と管理、薬物療法(拮抗薬など)。