深部腱反射の亢進がみられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
多発性硬化症は中枢神経系の脱髄疾患であり、錐体路(上位運動ニューロン)が障害されると深部腱反射の亢進、病的反射の出現、筋緊張の亢進(痙縮)などを呈します。深部腱反射は上位運動ニューロンの障害で抑制が解除されるため亢進します。
選択肢ごとの解説
- 1. 重症筋無力症は神経筋接合部の疾患であり、深部腱反射は通常正常です。易疲労性による筋力低下が主症状ですが、反射は影響を受けにくいです。正しくは:深部腱反射は通常正常。選びやすい理由:筋力低下を呈するため、反射異常を連想しやすいが、反射弓は保たれている。混同注意:筋疾患や神経原性疾患一般の筋力低下。
- 2. 正解。多発性硬化症は中枢神経系の脱髄疾患であり、錐体路障害により上位運動ニューロンが障害されると、深部腱反射の亢進をきたします。選びやすい理由:中枢神経系の多彩な症状の一つとして、反射亢進は典型的な所見である。混同注意:他の末梢神経疾患による反射異常。
- 3. Guillain-Barré症候群は急性多発性神経炎であり、末梢神経の障害(下位運動ニューロン障害)であるため、深部腱反射は減弱または消失します。正しくは:深部腱反射は減弱または消失する。選びやすい理由:麻痺を呈する疾患であるため、反射異常を連想しやすいが、反射は減弱・消失する。混同注意:上位運動ニューロン障害による反射亢進。
- 4. 筋強直性ジストロフィーは筋疾患であり、深部腱反射は一般的に減弱します。筋強直現象と混同しやすいが、反射そのものは減弱する傾向があります。正しくは:深部腱反射は減弱する。選びやすい理由:「強直」という言葉から反射亢進を連想しやすいが、これは筋自体の弛緩障害を指す。混同注意:痙縮による筋緊張亢進や反射亢進。
- 5. Duchenne型筋ジストロフィーはX連鎖劣性遺伝性の筋疾患であり、進行性の筋力低下をきたしますが、深部腱反射は早期には正常でも、筋萎縮の進行とともに減弱または消失します。正しくは:深部腱反射は筋萎縮の進行とともに減弱または消失する。選びやすい理由:筋力低下が著しいため反射異常を連想しやすいが、病態は筋原性である。混同注意:神経原性疾患による反射異常。
国試ポイント
深部腱反射の亢進・減弱・消失を特徴とする疾患を、それぞれの病態生理と関連付けて整理すること。
混同注意
上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害の神経所見の鑑別。上位運動ニューロン障害では反射亢進、下位運動ニューロン障害では反射減弱・消失を呈する。
次に同じ論点が出たら
深部腱反射の亢進が見られる場合、中枢神経系の障害(特に錐体路障害)を疑い、選択肢の中に中枢神経疾患があるかを確認する。
関連知識
錐体路障害(上位運動ニューロン障害)では、筋力低下、筋緊張亢進(痙縮)、深部腱反射亢進、病的反射(Babinski徴候など)陽性が特徴である。一方、下位運動ニューロン障害では、筋力低下、筋萎縮、筋緊張低下、深部腱反射減弱・消失、線維束性収縮が特徴である。