道具の把握形態において、編み棒と同じ手の構えをとる道具はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
編み棒は、指先で軸を支え、精密に操作する把持形態(精密グリップ、ピンチグリップの一種)で使われます。選択肢の中で、千枚通しも同様に、指先で軸を保持し、対象物に対し先端を正確に位置決めし、力を加える精密な操作に用いられるため、手の構えが共通します。
選択肢ごとの解説
- 1. スプーンは通常、掌側から握る形の把握(シリンダーグリップやフックグリップに近い)で使われることが多く、編み棒の指先を使った精密な操作とは異なります。正しくは:スプーンは主に円柱状把持(シリンダーグリップ)やフックグリップが一般的です。選びやすい理由:日常的に使う道具なので、何となく選んでしまうかもしれません。混同注意:スプーンは食事動作でよく使われるため、細かい操作というよりは安定した把持が求められることが多いです。
- 2. 正解。千枚通しは、主に指先で軸を支え、対象に先端を当てるような精密な操作を伴います。これは編み棒を把持し、糸を操る際の指先を使った操作(ピンチグリップ、精密グリップ)と共通する手の構えです。
- 3. つまようじは、主に指尖(指の先端)で軽く摘むように保持され(チップピンチ)、非常に軽い力で操作されます。編み棒はもう少ししっかりとした把持と、軸を支える指の配置が異なります。正しくは:つまようじは主に指尖把持(チップピンチ)で操作されます。選びやすい理由:細かいものを扱う点では似ていますが、把持の安定性や使用する指の力が異なります。混同注意:精密性という点では共通しますが、把持の安定性や必要とされる指の動員が異なります。
- 4. 筆は、指先で軸を支えつつ、手関節や前腕の動きも利用して流れるような線を引くために使われます(ダイナミックトリポッドグリップが一般的)。編み棒とは把持の安定性や操作の方向性が異なります。正しくは:筆は主に三点把持(トリポッドグリップ)やダイナミックトリポッドグリップが一般的で、手首や前腕の動きを大きく使います。選びやすい理由:筆も細かい作業に使われるため、間違えやすいかもしれません。しかし、把持の安定性や支える指の数が編み棒とは異なります。混同注意:筆は細かい作業で使われるため、指先の操作を連想しますが、その把持形態や操作の自由度は編み棒とは別物です。
- 5. 包丁は、食材を切るために掌全体で柄をしっかりと握り込むパワーグリップ(フックグリップやシリンダーグリップに近い)が一般的です。これは指先で細かく操作する編み棒の把持とは大きく異なります。正しくは:包丁は主に円柱状把持(シリンダーグリップ)やフックグリップなど、力強い把持が用いられます。選びやすい理由:日常的に使う道具で、選んでしまう可能性がありますが、把持の目的が全く異なります。混同注意:包丁は力強い把持を必要とし、繊細な指先操作を必要とする編み棒とは対極的です。
国試ポイント
この問題は、様々な道具を使用する際の基本的な把持形態(グリップパターン)に関する知識を問うものです。特に、パワーグリップとプレシジョングリップ(精密グリップ)の区別、およびそれぞれのグリップがどのような道具や動作で使われるかを理解しているかが重要です。
混同注意
筆やつまようじなど、指先を使う他の精密な道具との違いが混同されやすいです。特に、把持の安定性、使用する指の数、手関節の動きの関与などに注目して区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各把持形態の名称とその定義、およびそれぞれの把持形態がどのような目的(例:力強い把持、精密な操作)で使われるのかを問う問題が想定されます。また、特定の疾患や損傷(例:尺骨神経麻痺、正中神経麻痺)によって困難になる把持形態に関する問題も考えられます。
関連知識
把持形態の種類(パワーグリップ、プレシジョングリップ、フックグリップ、シリンダーグリップ、球状把持、ピンチグリップなど)、各把持形態の特徴と、それらが使用される代表的な道具や日常生活動作。