脳性麻痺児の粗大運動能力を評価する尺度はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
GMFM(Gross Motor Function Measure)は、脳性麻痺の子どもの粗大運動機能の発達を詳細に評価するために特別に設計された尺度です。寝返り、座る、四つ這い、立つ、歩く、走る、跳ぶなど、幅広い粗大運動スキルを網羅し、時間の経過に伴う変化を定量的に把握できます。PEDIやWeeFIMはADL全般の自立度を評価するもので、MACSは手の操作能力、K-ABCは認知能力を評価するため、設問の「粗大運動能力」に最も合致するのはGMFMです。
選択肢ごとの解説
- 1. PEDIは、小児の日常生活活動(ADL)や社会参加、介護負担などを評価する包括的な尺度であり、粗大運動能力に特化したものではありません。正しくは:PEDIは、セルフケア、モビリティ、社会機能の3領域を評価し、ADLの自立度や介助量を測るものです。選びやすい理由:子どもを対象とした評価尺度であるため、選択肢として魅力的ですが、評価の対象が粗大運動能力に限定されません。混同注意:WeeFIM(小児FIM)と名前が似ているため混同しやすいですが、両者は異なる評価尺度です。
- 2. 正解。GMFMは、脳性麻痺児の粗大運動能力の変化を定量的に評価するために開発された、信頼性と妥当性の高い尺度です。寝返り、座る、四つ這い、立つ、歩くなどの運動能力を詳細に測定します。
- 3. K-ABCは、子どもの認知処理過程と習得度を評価するための個別式知能検査であり、粗大運動能力を直接評価するものではありません。正しくは:K-ABCは、精神発達や学習能力を評価する検査です。選びやすい理由:子どもを対象とした評価尺度であるため、選択肢として魅力的に見えるかもしれませんが、評価領域が異なります。混同注意:粗大運動能力と認知能力を混同しやすいです。
- 4. WeeFIMは、小児の日常生活における機能的自立度を評価する尺度であり、運動能力も評価しますが、粗大運動能力に特化した詳細な尺度ではありません。ADL全般の介助量を測定します。正しくは:WeeFIMは、自己介護、排泄コントロール、移動、移乗、コミュニケーション、社会認識の6領域18項目を評価します。選びやすい理由:「運動」の項目が含まれるため、粗大運動能力の評価に適していると思われがちですが、GMFMほど専門的・詳細ではありません。混同注意:GMFMと、どちらも運動を評価するため混同しやすいですが、評価の焦点が異なります。PEDIとも混同しやすいです。
- 5. MACSは、脳性麻痺児の『両手を使った物品操作能力』を評価する分類システムであり、粗大運動能力ではなく上肢の巧緻性や操作能力に特化しています。正しくは:MACSは、日常活動における手の機能レベルを5段階で分類します。選びやすい理由:脳性麻痺の子どもを対象とした評価尺度であるため、正しい選択肢に思えるかもしれませんが、評価対象が粗大運動能力ではなく、手の操作能力です。混同注意:粗大運動能力と巧緻運動能力(手の操作能力)を混同しやすいです。
国試ポイント
脳性麻痺児の評価尺度に関する知識は頻出です。特に、それぞれの評価尺度が「何を」評価するのか(例:ADL、粗大運動、手の機能、認知機能)を正確に理解しているかが問われます。似たような名称や対象疾患の評価尺度が多く、混同しやすい点に注意が必要です。
混同注意
GMFMとPEDI/WeeFIMは、どちらも小児の運動機能に関連する項目を含みますが、GMFMは粗大運動に特化しているのに対し、PEDI/WeeFIMはADL全般の機能的自立度を評価します。MACSは手の機能に特化しているため、粗大運動能力とは明確に区別して理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われるとしたら、GMFCSとMACSの具体的な内容や、それぞれの評価尺度が対象とする年齢、評価方法の詳細、または他の疾患(例:ダウン症、発達障害)で用いられる評価尺度との比較などが考えられます。また、複数の尺度の中から、特定のリハビリテーション目標(例:ADL改善、歩行能力向上)に最も適した評価尺度を選ぶ問題も出題されやすいです。
関連知識
・PEDI: Pediatric Evaluation of Disability Inventory(小児障害評価尺度)。セルフケア、モビリティ、社会機能の3領域で、活動参加と介護負担を評価。・WeeFIM: Functional Independence Measure for Children(機能的自立度評価法小児版)。ADLの自立度を評価。・MACS: Manual Ability Classification System。脳性麻痺児の手の機能(物品操作能力)を5段階で分類。・GMFCS: Gross Motor Function Classification System。脳性麻痺児の粗大運動機能のレベルを5段階で分類(能力自体ではなく、活動への参加度合いを表す)。