Eriksonの心理・社会的発達論で高齢者が克服すべきなのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
エリクソンの心理社会的発達論は8つの段階から構成され、各段階には特定の心理社会的課題があります。高齢期にあたる最終段階は「統合性対絶望」であり、これまでの人生を振り返り、その意味と価値を受け入れ、自分自身と他者、そして人生全体に対する肯定的な感覚を育む『統合性』の達成が重要とされています。この課題を達成できないと、後悔や絶望感に苛まれることになります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。エリクソンの心理社会的発達論における最終段階(第8段階)は「統合性対絶望」であり、高齢期にはこれまでの人生を振り返り、受け入れることで『統合性』を獲得することが主要な課題とされています。
- 2. 自発性は、エリクソンの発達段階における学齢期以前(幼児期後期、第3段階:自発性対罪悪感)に達成すべき課題です。正しくは:高齢期に達成すべき課題は統合性です。選びやすい理由:「自発的に活動する高齢者」といった言葉から、高齢期にも重要な要素であると誤解しやすいですが、エリクソンの発達段階の特定の課題としては該当しません。混同注意:「自律性」や「勤勉性」など、他の段階の課題と混同しやすいです。
- 3. 自律性は、エリクソンの発達段階における幼児期(第2段階:自律性対恥・疑惑)に達成すべき課題です。正しくは:高齢期に達成すべき課題は統合性です。選びやすい理由:高齢期にもADLの自立など「自律性」は重要な概念ですが、エリクソンの発達段階の特定の課題としてはより早期に焦点が当たります。混同注意:「自発性」や「基本的な信頼」など、他の段階の課題と混同しやすいです。
- 4. 同一性(アイデンティティ)は、エリクソンの発達段階における青年期(第5段階:同一性対同一性拡散)に達成すべき主要な課題です。正しくは:高齢期に達成すべき課題は統合性です。選びやすい理由:高齢期においても自己認識や役割の再構築は起こりますが、エリクソンの理論における『同一性』の形成は青年期が中心です。混同注意:「役割拡散」や「親密性」など、青年期から成人期にかけての課題と混同しやすいです。
- 5. 基本的信頼は、エリクソンの発達段階における乳児期(第1段階:基本的信頼対不信)に達成すべき課題です。正しくは:高齢期に達成すべき課題は統合性です。選びやすい理由:誰にとっても「信頼」は基本的な要素ですが、エリクソンの理論における『基本的信頼』の獲得は人生の初期段階です。混同注意:「希望」や「不信」など、乳児期に関連する他の概念と混同しやすいです。
国試ポイント
エリクソンの心理社会的発達論における各発達段階と、そこで達成されるべき主要な課題(美徳)を正確に理解しているかが問われます。特に、乳児期、青年期、高齢期といった象徴的な段階の課題は頻出です。
混同注意
各発達段階の課題の名称が類似しているため、どの課題がどの時期に該当するかを混同しやすいです。例:自律性(幼児期)と自発性(幼児期後期)、同一性(青年期)と親密性(成人期初期)。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、選択肢に挙がった以外の発達段階の課題や、それぞれの段階で獲得される美徳についても問われる可能性があります。また、具体的な事例と結びつけて、どの発達課題に直面しているかを判断させる問題形式も考えられます。
関連知識
各発達段階における美徳(希望、意思、目的、有能、忠誠、愛、世話、英知)も合わせて覚えること。また、ピアジェの認知発達理論やフロイトの精神分析的発達理論など、他の主要な発達理論との比較も重要です。