深部感覚障害で陽性となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ロンベルグ徴候は、目を閉じた状態で直立姿勢を保てず、体が大きく揺れたり倒れそうになったりする現象を指します。これは、平衡感覚を保つための情報源である視覚が遮断された際に、深部感覚(固有受容覚)による位置覚や運動覚の異常が顕著になることで生じます。脊髄後索障害などによる深部感覚障害の重要な指標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. バレー徴候は、錐体路障害、特に下肢の不全麻痺(筋力低下)を評価する検査です。腹臥位で膝を90度屈曲させて保持させた際に、麻痺側の足が徐々に落下する現象を指します。深部感覚障害とは直接的な関連はありません。正しくは:バレー徴候は錐体路障害で陽性となります。選びやすい理由:神経学的診察で用いられる一般的な徴候の一つであるため、知識があいまいだと選びやすい可能性があります。混同注意:錐体路障害を示す他の徴候(例:Babinski徴候)と混同しやすいです。
- 2. ケルニッヒ徴候は、髄膜刺激症状の一つであり、仰臥位で股関節と膝関節を90度屈曲させた後、膝関節を伸展させようとすると抵抗と痛みを伴います。これは髄膜炎などで見られ、深部感覚障害とは直接関係ありません。正しくは:ケルニッヒ徴候は髄膜刺激症状(例:髄膜炎、くも膜下出血)で陽性となります。選びやすい理由:脳神経系疾患に関連する徴候として、漠然とした知識で選んでしまう可能性があります。混同注意:ブルジンスキー徴候など、他の髄膜刺激症状と混同しやすいです。
- 3. ラセーグ徴候は、下肢伸展挙上試験とも呼ばれ、仰臥位で膝を伸展したまま下肢を挙上すると、坐骨神経の走行に沿った痛みが誘発されるものです。これは坐骨神経の圧迫や炎症(椎間板ヘルニアなど)を示唆し、深部感覚障害とは直接関連しません。正しくは:ラセーグ徴候は坐骨神経の圧迫や炎症、椎間板ヘルニアなどで陽性となります。選びやすい理由:腰痛や下肢の神経症状を評価する検査として有名であるため、深部感覚障害と誤って関連付けてしまう可能性があります。混同注意:大腿神経伸展テスト(FNSテスト)など、他の神経伸展テストと混同しやすいです。
- 4. 正解。ロンベルグ徴候は、閉眼立位保持の際に体が大きく動揺したり、ふらついたりする現象で、主に後索性深部感覚障害(固有受容覚の障害)の際に陽性となります。視覚による代償が失われることで、体位を保つための深部感覚情報が不足し、バランスが保てなくなるためです。小脳性失調の場合も動揺が見られますが、その際は開眼時にも動揺が見られる点で鑑別されます。
- 5. カーテン徴候は、舌咽神経や迷走神経の麻痺により、発声時に麻痺側の軟口蓋が挙上せず、健側に引き寄せられるように見える現象です。これは嚥下障害や発語障害などに関連し、深部感覚障害とは直接関係ありません。正しくは:カーテン徴候は舌咽神経や迷走神経の麻痺(延髄病変など)で陽性となります。選びやすい理由:脳神経の評価項目の一つとして、他の症状と混同しやすいかもしれません。混同注意:舌の偏位(舌下神経麻痺)など、他の脳神経症状と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、神経学検査における各徴候が、どの神経機能障害(例:錐体路、髄膜、深部感覚、脳神経)と関連しているかを正確に理解しているかを問うものです。特に、ロンベルグ徴候は深部感覚障害(後索障害)の代表的な所見として、小脳性失調との鑑別点(開眼時と閉眼時の動揺の差)も含めて頻繁に問われます。
混同注意
ロンベルグ徴候と小脳性失調による体幹失調は混同されやすいですが、ロンベルグ徴候は閉眼時に動揺が悪化するのに対し、小脳性失調による体幹失調は開眼時でも動揺が見られる点で鑑別します。他の選択肢の徴候も、それぞれが関連する神経路や部位が異なるため、正確な知識が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合は、各神経学的徴候が「どの神経系のどの部位の障害」を示すのか、また「他の類似した徴候との鑑別点」に注目して学習することが重要です。例えば、ロンベルグ徴候であれば「深部感覚(後索)障害」と「小脳性失調」の鑑別点がポイントになります。
関連知識
深部感覚には、関節の位置や動きを感じる固有受容覚、振動覚、圧覚などが含まれ、脊髄の後索を上行して脳へ伝達されます。ロンベルグ徴候の評価は、足を揃えて直立させ、開眼時と閉眼時それぞれで立位保持を観察します。閉眼時にのみ動揺が悪化する場合を陽性とします。各徴候の具体的な検査方法と陽性所見の意味、関連する神経や疾患を理解することが重要です。