気管支喘息の治療薬はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
気管支喘息は慢性的な気道炎症を特徴とする疾患であり、その炎症を強力に抑えるためにステロイドが主要な治療薬として使用されます。特に吸入ステロイドは、局所的に作用し全身性の副作用を抑えつつ、炎症を効果的にコントロールするため、長期管理において非常に重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. β遮断薬は気管支を収縮させる作用があるため、気管支喘息患者には禁忌、または慎重な投与が必要です。喘息発作を誘発・悪化させる危険性があります。正しくは:気管支喘息の治療には、β刺激薬(β2アゴニスト)が気管支拡張薬として用いられます。選びやすい理由:「β」というキーワードから、β刺激薬と混同する可能性があります。しかし、β遮断薬とβ刺激薬では作用が全く異なります。混同注意:β2刺激薬(気管支拡張作用)
- 2. アスピリン(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs)は、一部の気管支喘息患者において喘息発作を誘発することが知られており(アスピリン喘息)、治療薬としては使用されません。正しくは:アスピリンは喘息の治療薬ではなく、発作を誘発するリスクがあるため、原則として避けるべき薬剤です。選びやすい理由:炎症を抑える薬として一般的に知られているため、気管支の炎症を抑える目的で使用するのでは、と誤解する可能性があります。混同注意:他の一般的な鎮痛・抗炎症薬
- 3. 正解。ステロイド(特に吸入ステロイド)は、気管支喘息の慢性的な気道炎症を強力に抑制し、発作の予防とコントロールに不可欠な薬剤です。重症の場合には経口ステロイドが用いられることもあります。選びやすい理由:ステロイドの副作用を懸念して選択をためらうかもしれませんが、喘息治療においてはその抗炎症作用が非常に重要です。
- 4. フロセミドはループ利尿薬であり、体内の余分な水分を排泄させることで浮腫や高血圧、心不全などの治療に用いられます。気管支喘息の治療には直接関係ありません。正しくは:フロセミドは気管支喘息の治療薬ではありません。選びやすい理由:呼吸器系の疾患である喘息と、心不全による肺水腫など、間接的に呼吸器症状に関わる他の疾患の治療薬と混同する可能性があります。混同注意:気管支拡張薬や抗炎症薬
- 5. マクロライド系抗菌薬は細菌感染症の治療に用いられる薬剤です。気管支喘息は主にアレルギー性の慢性炎症疾患であり、細菌感染が主な原因ではないため、通常は治療薬として使用されません。ただし、一部のマクロライド系抗菌薬は免疫調節作用を持つことが知られていますが、第一選択の治療薬ではありません。正しくは:マクロライド系抗菌薬は主に細菌感染症に対して用いられます。喘息の主な治療目的ではありません。選びやすい理由:呼吸器感染症に用いられることが多いため、呼吸器疾患である喘息に有効だと誤解する可能性があります。混同注意:抗炎症薬や免疫調節薬
国試ポイント
気管支喘息の基本的な病態生理と主要な治療薬を理解しているかを問う問題です。特に、炎症を抑えるステロイドの役割と、喘息患者で禁忌となる薬(β遮断薬、アスピリンなど)を区別できるかがポイントとなります。
混同注意
β遮断薬とβ2刺激薬、ステロイドの長期管理における重要性と副作用、抗菌薬の適応外使用など。
次に同じ論点が出たら
気管支喘息の治療薬に関する問題が出題された場合、まず『気道炎症の抑制』と『気管支拡張』という2つの主要な治療戦略を思い浮かべ、それぞれの戦略に対応する代表的な薬剤が何かを判断します。また、喘息患者で避けるべき薬剤についても常に意識する必要があります。
関連知識
気管支喘息の病態(I型アレルギー、気道過敏性、リモデリング)、治療ガイドライン(GINA、JGL)、吸入薬(ICS、LABA、SABA)、ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗IgE抗体薬など。