腎疾患と原因の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
糖尿病は、腎臓の糸球体や尿細管に損傷を与える糖尿病性腎症を引き起こし、これが進行すると慢性腎不全へと至る主要な原因です。
選択肢ごとの解説
- 1. 腎硬化症の主な原因は高血圧や糖尿病であり、尿路結石は腎硬化症を直接引き起こす原因ではありません。正しくは:腎硬化症 - 高血圧(または糖尿病)選びやすい理由:どちらも腎臓に関連する疾患であるため、関連性があるように見えるかもしれません。混同注意:尿路結石は腎機能障害の原因となりえますが、腎硬化症とは異なる機序で腎臓に影響を与えます。
- 2. 正解。糖尿病は、長期にわたる高血糖状態が腎臓の微細血管に損傷を与え、糖尿病性腎症を引き起こし、最終的に慢性腎不全へと進行する主要な原因の一つです。
- 3. 急性腎盂腎炎は主に細菌感染が原因であり、動脈硬化は直接的な原因ではありません。正しくは:急性腎盂腎炎 - 細菌感染(尿路感染症)選びやすい理由:動脈硬化が様々な臓器に影響を与えるため、腎臓にも関係があると考えるかもしれませんが、感染症とは異なります。混同注意:動脈硬化は腎血管性高血圧など別の腎疾患の原因とはなりますが、腎盂腎炎の原因ではありません。
- 4. 心不全による腎血流低下は、腎臓への血液供給が不足することに起因する「腎前性」急性腎不全の原因となります。「腎後性」急性腎不全は尿路の閉塞が原因です。正しくは:腎前性急性腎不全 - 心不全選びやすい理由:心不全が腎機能に影響を与えることは事実なので、一見正しいように思えるかもしれません。混同注意:急性腎不全の分類(腎前性、腎性、腎後性)とその原因を混同しやすいです。
- 5. 前立腺肥大は尿路の閉塞を引き起こすため、「腎後性」急性腎不全の原因となります。「腎前性」急性腎不全は腎臓への血流低下が原因です。正しくは:腎後性急性腎不全 - 前立腺肥大選びやすい理由:前立腺肥大が腎機能に悪影響を及ぼすことは確かであるため、関連があるように感じられます。混同注意:急性腎不全の分類(腎前性、腎性、腎後性)とその原因を混同しやすいです。
国試ポイント
腎疾患の種類と主要な原因の正しい組み合わせを問う問題です。特に、慢性腎不全の代表的な原因や、急性腎不全の病態生理学的分類(腎前性、腎性、腎後性)とその具体的な原因について正確な理解が求められます。
混同注意
急性腎不全の3つの分類(腎前性、腎性、腎後性)の原因が特に混同しやすい点です。また、各腎疾患の直接的な原因と、関連性の薄い疾患名が組み合わされている選択肢にも注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次回この論点が問われた際には、慢性腎不全の他の原因(高血圧や慢性糸球体腎炎など)や、急性腎不全における腎性(内因性)の原因(薬剤性腎障害、急性尿細管壊死など)について、具体的な疾患名と病態生理を結びつけて判断できるかを確認します。
関連知識
慢性腎不全の主な原因には、糖尿病(糖尿病性腎症)、高血圧(腎硬化症)、慢性糸球体腎炎などがあります。急性腎不全の分類と原因については、腎前性(腎血流低下:脱水、心不全など)、腎性(腎臓自体への損傷:急性糸球体腎炎、薬剤性など)、腎後性(尿路閉塞:尿路結石、前立腺肥大症など)を理解しておく必要があります。腎硬化症は高血圧が原因で腎動脈が硬化する疾患であり、急性腎盂腎炎は細菌感染による腎臓の炎症です。