肩甲背神経に支配される筋はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では1・5のいずれも正解とされています。 肩甲背神経は、腕神経叢の根部(主にC5、一部C3-C4から出る場合もある)から分岐する神経です。この神経が支配する主要な筋肉は、肩甲挙筋、および大菱形筋・小菱形筋からなる菱形筋群です。これらの筋肉は肩甲骨の動きと安定性に重要な役割を担います。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。肩甲挙筋は、肩甲骨を挙上させる機能を持つ筋肉で、肩甲背神経(C3-C5)によって支配されています。この神経は腕神経叢の根部から分岐します。
- 2. 鎖骨下筋は、鎖骨を下方に引き下げたり安定させたりする役割を持つ筋肉ですが、肩甲背神経ではなく、鎖骨下筋神経(腕神経叢の上神経幹由来、C5-C6)によって支配されます。正しくは:鎖骨下筋は鎖骨下筋神経によって支配される。選びやすい理由:肩周辺に位置し、肩甲骨の動きに関与するため、肩甲背神経の支配筋と誤解されやすい。混同注意:肩甲上神経や、他の腕神経叢から直接出る短い枝の神経。
- 3. 前鋸筋は、肩甲骨の安定化と上方回旋に重要な筋肉ですが、長胸神経(C5-C7)によって支配されており、肩甲背神経とは異なる神経です。正しくは:前鋸筋は長胸神経によって支配される。選びやすい理由:肩甲骨の大きな動きに関わるため、肩甲骨周辺の神経全般の支配筋だと誤解されやすい。混同注意:肩甲上神経、肩甲背神経など、肩甲骨に関連する名前の他の神経。
- 4. 僧帽筋は、肩甲骨の挙上・内転・下方回旋、頸部の伸展など、多岐にわたる機能を持つ大きな筋肉ですが、主に副神経(第XI脳神経)と、一部頸神経(C2-C4)によって支配されており、肩甲背神経の支配ではありません。正しくは:僧帽筋は主に副神経(第XI脳神経)によって支配される。選びやすい理由:肩や首の広範囲な運動に関わるため、様々な神経の支配を受けそうだと考える。混同注意:腕神経叢から出る他の神経、頸神経叢の他の枝。
- 5. 正解。大菱形筋と小菱形筋からなる菱形筋群は、肩甲骨を内転させたり下方回旋させたりする筋肉であり、肩甲挙筋と同様に肩甲背神経(C4-C5)によって支配されます。
国試ポイント
神経支配に関する問題は、解剖学および運動学の基礎として作業療法士国家試験で頻繁に出題されます。特に、腕神経叢から分岐する主要な神経と、それらが支配する筋肉の組み合わせは重要です。肩甲骨周辺の筋肉は多くの神経に支配されるため、各筋肉の支配神経を正確に覚えているかが問われるポイントとなります。
混同注意
肩甲背神経、肩甲上神経、長胸神経、腋窩神経、副神経など、肩甲骨や肩関節周辺の筋肉を支配する複数の神経とその支配筋は混同しやすいです。特に、名前が類似している神経(例:肩甲背神経と肩甲上神経)は注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、腕神経叢から分岐する各神経(例:筋皮神経、正中神経、尺骨神経、橈骨神経など)とその主要な支配筋群、およびそれらの神経が関わる運動機能を正確に識別できるかを確認しましょう。また、体幹や頸部の筋肉の支配神経も合わせて復習することが有効です。
関連知識
腕神経叢の構成(根、幹、索、枝)、各神経の走行、支配筋とそこから生じる機能障害、各筋肉の起始・停止・作用など。神経損傷時の症状と関連付けて理解すると、より記憶に残りやすくなります。