研究法の説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
メタアナリシスは、複数の先行研究のデータを統計的に統合・分析することで、より客観的で精度の高い結論を導き出す研究手法です。これにより、個々の研究では検出できなかった小さな効果を明らかにしたり、研究結果のばらつきの原因を特定したりすることができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 横断研究の説明ではありません。正しくは:横断研究は、ある一時点において異なる個人や集団からデータを収集し、それらを比較する研究です。症例の経過を追うのは縦断研究や症例報告、症例研究などに該当します。選びやすい理由:「情報収集」という一般的な言葉が含まれるため、具体例が曖昧な場合に選びやすいかもしれません。混同注意:縦断研究と混同しやすいです。
- 2. 正解。メタアナリシスの正確な説明です。多数の研究結果を数量的に統合し、より信頼性の高い結論を導き出すことを目的とします。
- 3. 留め置き調査法の説明として不適切です。正しくは:留め置き調査法は、質問票を対象者に配布し、一定期間後に再度訪問するか郵送などで回収する方法を指します。その場で回収するのは集合調査法(または自記式質問紙調査)の一種です。選びやすい理由:「その場で回収する」という部分が、調査を効率的に行うイメージと結びつきやすく、正しく聞こえる可能性があります。混同注意:集合調査法(自記式質問紙調査)と混同しやすいです。
- 4. 縦断研究の説明ではありません。正しくは:縦断研究は、同じ個人や集団を長期間にわたって複数回追跡し、その変化や発達を観察する研究です。異なる年齢の集団を同時期に調査するのは横断研究の説明です。選びやすい理由:「年齢群を比較する」という部分が、何かしらの研究手法と合致すると思いやすいかもしれません。混同注意:横断研究と混同しやすいです。
- 5. ABA型のシングルケースデザインで検証できるのは、介入による行動の変化と、介入の中止による行動のベースラインへの回帰であり、順序効果を検証するものではありません。正しくは:ABA型のシングルケースデザインは、介入が対象者の行動に与える効果を分析するのに用いられます。A(ベースライン)→B(介入)→A(介入中止後のベースラインへの回帰)という段階を経て、介入が行動変化の原因であるか否かを評価します。順序効果の検証には、AB/BAデザインなどの他のデザインが用いられることがあります。選びやすい理由:シングルケースデザインが介入効果の検証に用いられることは正しいですが、「順序効果」という部分が誤りです。介入効果という大枠のキーワードに引きずられやすいです。混同注意:AB/BAデザインや複数ベースラインデザインなど、他のシングルケースデザインの目的と混同しやすいです。
国試ポイント
研究法の基本的な定義と特徴を正確に理解しているかが問われています。特に、横断研究と縦断研究、メタアナリシス、シングルケースデザインなどの主要な研究デザインは、その目的と実施方法を区別できるようにしておく必要があります。ひっかけとして、一部正しい情報を含みつつ、核となる部分が誤っている選択肢がよく出されます。
混同注意
横断研究と縦断研究、集合調査法と留め置き調査法、シングルケースデザインの種類とその目的。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、各研究デザインの『目的』『対象』『データの収集方法』『主な分析手法』を明確に区別できているかを確認してください。特に、それぞれの研究デザインがどのような問いに答えることができるのかを理解することが重要です。
関連知識
記述研究、分析研究、疫学研究の種類(症例対照研究、コホート研究)、ランダム化比較試験(RCT)、質的研究、量的研究。