人間作業モデルについて誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
人間作業モデル(MOHO)において、作業の重要度を10段階で数値化して評価する特定の評価ツールや概念は一般的ではありません。MOHOは、個人の意志(価値、興味、個人的因果律)、習慣化(役割、習慣)、遂行能力(心身の客観的な能力)、および環境の相互作用を作業の観点から包括的に捉え、評価と介入を行います。各評価ツールには独自の評価尺度がありますが、「重要度を10段階で評価する」はMOHOに特有の記述ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 人間作業モデルでは、役割は作業遂行の重要な要素であり、その変化は評価の対象となります。特に「作業役割目録」などで評価されます。正しくは:この記述は適切です。選びやすい理由:記述が正しいので、誤りを選ぶ問題では選択肢から除外すべきです。混同注意:他の作業モデルや評価尺度と混同することはありません。
- 2. 人間作業モデルにおける意志の下位要素には「興味」が含まれており、作業への興味・関心は評価の重要な側面です。例えば「作業興味チェックリスト」などで評価されます。正しくは:この記述は適切です。選びやすい理由:記述が正しいので、誤りを選ぶ問題では選択肢から除外すべきです。混同注意:他の意欲に関する評価と混同することはありません。
- 3. 正解。人間作業モデルの評価ツールの中に、作業の重要度を10段階で評価するものは一般的ではありません。MOHOの評価ツールには、作業の価値、興味、満足度などを多角的に評価するものはありますが、特定の10段階評価尺度はMOHO固有のものではありません。例えば、『作業質問紙(OPHI-II)』などでは、作業の価値や能力を4段階の尺度で評価する項目はありますが、重要度の10段階評価は特徴的ではありません。正しくは:作業の重要度を10段階で数値化する評価尺度は、人間作業モデルに特有の評価方法ではありません。MOHOでは、個人の価値観や作業の意義を多角的に評価します。選びやすい理由:他のリハビリテーション関連の評価尺度には段階評価を用いるものが多いため、MOHOでも同様の評価があるように感じられるかもしれません。混同注意:『作業質問紙(OPHI-II)』などで用いられる4段階評価や、『作業役割目録』における各役割の重要度評価などと混同しやすいですが、これらも10段階評価ではありません。
- 4. 人間作業モデルの目的は、人が環境との相互作用を通じて作業に適応し、健康と幸福を達成できるよう支援することです。これはMOHOの核心的な考え方です。正しくは:この記述は適切です。選びやすい理由:記述が正しいので、誤りを選ぶ問題では選択肢から除外すべきです。混同注意:他の適応を重視するモデルと混同することはありません。
- 5. 人間作業モデルは、人間を作業への意志(volition)、習慣化(habituation)、遂行能力(performance capacity)という3つのサブシステムが、環境と相互作用しながら作業遂行を形作る存在として捉えます。これはMOHOの基本概念です。正しくは:この記述は適切です。選びやすい理由:記述が正しいので、誤りを選ぶ問題では選択肢から除外すべきです。混同注意:これらの概念はMOHOの柱であるため、他のモデルの概念と混同することはありません。
国試ポイント
この問題は、人間作業モデル(MOHO)の基本的な概念と、それに付随する評価の具体的内容を正確に理解しているかを問うものです。特に、モデルの中心概念(意志、習慣化、遂行能力)と、具体的な評価尺度や方法に関する知識が試されます。特定の数字や段階評価がそのモデルに合致するかどうかという形で、細部の知識を問うひっかけ問題の構造です。
混同注意
他の作業療法モデル(例:PEOモデル、CMOP-Eなど)の評価項目や、他の領域(例:疼痛評価のNRSなど)で用いられる数値評価尺度と混同しやすいです。また、MOHOの様々な評価ツール(例:OPHI-II、AMPS、COPMなど)の具体的な評価方法や尺度に関する詳細な知識がないと判断が難しい可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、人間作業モデルの各評価ツールがどのような概念をどのような尺度で評価するのか、具体的な評価項目と評価方法をより詳細に問われる可能性があります。また、他の作業療法モデルとの比較で、それぞれの特徴的な評価項目や介入の視点について問われることも考えられます。
関連知識
人間作業モデル(MOHO)の主要な構成概念(意志、習慣化、遂行能力、環境)、それぞれのサブシステムが指す内容、およびMOHOに基づいた代表的な評価ツール(OPHI-II、AMPS、VFI、OCS、ACIS、COSA、PVQなど)とその特徴を理解しておく必要があります。また、評価項目と評価尺度、目的について学習が必要です。