臨床実習に参加する学生の行動で、患者の個人情報を保護する上で最も適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
患者の個人情報を指導者と共有する際には、情報が外部に漏れないよう、セキュリティが確保された場所で行うことが最も重要です。スタッフルームは一般の出入りが制限されており、情報の機密性が保たれるため、適切な環境と言えます。他の選択肢はすべて、情報漏洩のリスクを高める不適切な行動です。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者の個人情報を家族などの第三者と共有することは、守秘義務違反に当たります。たとえ悪意がなくても、情報漏洩のリスクを高めます。正しくは:患者の個人情報は、たとえ家族であっても、自宅で話題にすべきではありません。守秘義務を厳守し、情報が漏洩しないよう細心の注意を払う必要があります。選びやすい理由:家族だから信頼できる、情報が外部に漏れることはないだろう、と安易に考えてしまうかもしれませんが、守秘義務は身内にも適用されます。混同注意:守秘義務の範囲、個人情報の定義、情報共有の許容範囲
- 2. 患者の個人情報が記載されたメモを一般ゴミとして捨てる行為は、情報漏洩の危険性が非常に高く、不適切です。情報が第三者の手に渡る可能性があります。正しくは:患者の個人情報が含まれるメモは、シュレッダーにかけるか、医療機関の機密文書破棄ルールに従って適切に処理する必要があります。選びやすい理由:使い終わったものだから、と意識せずに捨ててしまうかもしれませんが、個人情報が含まれている場合は特別な配慮が必要です。混同注意:個人情報の含まれる記録の管理方法、機密文書の廃棄ルール
- 3. 生年月日は患者を特定できる重要な個人情報の一つです。レポートなど不特定多数が閲覧する可能性のある文書に記載することは、情報漏洩のリスクを高めます。正しくは:レポートに患者の情報を記載する際は、生年月日や氏名など個人を特定できる情報は記載せず、イニシャルや匿名化されたIDを使用するなど、匿名性を確保する必要があります。選びやすい理由:レポート作成の際、患者情報を正確に記載しようとして生年月日も記載してしまいがちですが、個人特定に繋がる情報は避けるべきです。混同注意:個人情報の具体例、匿名化の方法、レポート作成時の注意点
- 4. 正解。スタッフルームは、一般の患者や訪問者が立ち入らない、情報の機密性が保たれる環境です。このような場所で患者情報を共有することで、情報漏洩のリスクを最小限に抑え、守秘義務を適切に履行できます。
- 5. 電子メールは情報が暗号化されていない場合や誤送信のリスクがあるため、患者を特定できる情報を送るにはセキュリティ上の問題があります。情報漏洩のリスクが高い行為です。正しくは:患者を特定できる情報を含む内容は、セキュリティが確保された院内のシステムを利用するか、直接口頭で報告するなど、安全な方法で共有する必要があります。やむを得ずメールを使用する場合は、厳重なパスワード設定や暗号化、匿名化が必須です。選びやすい理由:手軽な連絡手段としてメールを使いがちですが、個人情報を含む場合はそのセキュリティリスクを十分に考慮する必要があります。混同注意:情報共有の安全な方法、電子メールのセキュリティリスク、個人情報保護法
国試ポイント
医療従事者としての守秘義務と個人情報保護に関する基本知識が問われています。特に、臨床実習という学生の立場における責任と、具体的な行動規範が理解できているかが重要です。
混同注意
「患者の情報を共有すること自体が悪い」と誤解しがちですが、適切な状況・相手・場所での共有は診療上不可欠です。問題は「どのように共有するか」にあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、情報の『漏洩リスク』と『共有の適切性』の二点を常に意識して選択肢を評価する。特に、誰と(対象)、どこで(場所)、どのように(方法)共有するか、という視点を持つ。
関連知識
個人情報保護法、医療機関における情報管理ガイドライン、守秘義務(刑法、医師法等)、インフォームドコンセント、匿名化の原則