観念運動失行の検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
観念運動失行は、道具を使わないパンとマイム(ジェスチャー)や、指示された動作の模倣に障害が見られる失行です。例えば、「歯を磨く」「櫛で髪を梳かす」といった日常的な動作を、あたかも道具があるかのようにジェスチャーで行う課題は、観念運動失行の評価に典型的です。選択肢3は、この特徴を捉えた検査であるため適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. これは時間に関する見当識や記憶、または発語能力を評価する質問であり、観念運動失行の評価には直接関係しません。正しくは:観念運動失行は、自発的な動作や模倣動作の障害です。具体的な物品を操作する課題や、ジェスチャーを模倣する課題が適切です。選びやすい理由:失語症や認知症などの他の高次脳機能障害のスクリーニングでよく使われるため、選択肢として紛らわしいかもしれません。混同注意:見当識障害や失語症の検査と混同しやすいです。
- 2. これは身体失認、特に手指失認の検査項目であり、観念運動失行の評価とは異なります。体の部位の認知や呼称、指示による選択能力を評価します。正しくは:観念運動失行の評価には、象徴的な動作の実行や模倣が求められます。選びやすい理由:失行の中に身体部位に関する障害もあるため、関連性を感じやすいかもしれません。混同注意:手指失認や左右失認といった身体失認の検査と混同しやすいです。
- 3. 正解。観念運動失行の典型的な評価方法の一つに、指示された日常的な動作(パンとマイム)をジェスチャーで実行できるかを確認する項目があります。特に道具を使用する動作の模倣や概念的理解が障害されるため、『歯を磨く』といった象徴的な動作の実行は、この失行の検出に非常に有効です。
- 4. この課題は、複数の連続した動作を計画・実行する能力や、実際の物品を操作する能力を評価するものであり、観念運動失行よりも観念失行や構成失行、遂行機能障害の評価に近いと言えます。正しくは:観念運動失行は、道具なしでの象徴的な動作の実行障害が特徴的です。道具を使う複合的な動作は、観念失行でより顕著になります。選びやすい理由:動作の障害であるという点で失行全般と関連するように見えますが、より高次の計画性や道具の使用が含まれるため、観念運動失行に特化したものではありません。混同注意:観念失行や構成失行、または遂行機能障害の評価と混同しやすいです。
- 5. これは視覚的短期記憶や記銘力、学習能力を評価する検査であり、失行とは直接関係ありません。正しくは:観念運動失行は運動の計画と実行に関する障害です。記憶課題では評価できません。選びやすい理由:高次脳機能障害のスクリーニングの一部として記憶検査が行われるため、関連性を感じやすいかもしれません。混同注意:記憶障害や認知症の検査と混同しやすいです。
国試ポイント
失行の分類とそれぞれの特徴的な症状・検査方法を正確に理解しているかが問われます。特に、観念運動失行と観念失行の違いや、他の高次脳機能障害(失認、失語、記憶障害など)の検査との区別が重要です。
混同注意
観念失行(実際の物品操作や一連の動作の障害)、構成失行(図形模写や積み木構成の障害)、身体失認(身体部位の認識障害)など、他の失行や高次脳機能障害の概念・検査と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後、観念運動失行について問われた場合、ジェスチャーや模倣、概念的な動作の実行障害に注目する。観念失行では実際の物品を用いた一連の複雑な動作の障害に注目する。
関連知識
失行の種類(観念運動失行、観念失行、構成失行、着衣失行など)とその病態生理、責任病巣、代表的な評価項目。高次脳機能障害全般の知識。