脳血管障害について誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
くも膜下出血は男性よりも女性に多いため、「女性よりも男性に多い」は誤りです(公式正答2)。高血圧、発作性心房細動、癌に付随する凝固異常(Trousseau症候群)、慢性腎臓病は、いずれも脳卒中の危険因子・原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 高血圧は、脳の細動脈に慢性的な負荷をかけ、血管壁の脆弱化を招くため、脳出血の最も重要な危険因子の一つです。これにより、血管が破綻しやすくなります。選びやすい理由:高血圧が脳出血の主要なリスクファクターであることは広く知られているため、正しい記述として認識しやすい。混同注意:脳梗塞の危険因子も高血圧であるため、両者の関連を混同することはないが、重要性の程度を混同する可能性。
- 2. 正解。くも膜下出血は男性よりも女性に多いため、この記述は誤りです。
- 3. 発作性心房細動は、心房内で血栓が形成されやすく、この血栓が脳に飛散して脳動脈を閉塞させることで脳塞栓症(心原性脳塞栓症)を引き起こす主要な原因です。選びやすい理由:心房細動が脳塞栓症の危険因子であることは、よく知られている医学知識であるため、正しいと判断しやすい。混同注意:アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞など、他の脳梗塞の病型との区別。
- 4. 癌は悪性腫瘍に関連する凝固異常(Trousseau症候群など)を引き起こすことがあり、これにより血栓が形成されやすくなり、脳塞栓症の原因となることがあります。選びやすい理由:癌と血栓症の関連は比較的専門的な知識だが、近年注目されている病態であり、正しい記述と認識しやすい。混同注意:癌による直接的な脳転移や、治療による合併症など、癌が脳に影響を与える他の機序。
- 5. 慢性腎臓病(CKD)は、高血圧、糖尿病、動脈硬化などの危険因子を共有し、さらに炎症や酸化ストレスの増大を介して血管内皮機能障害を引き起こすため、脳卒中(脳梗塞および脳出血)の独立した危険因子として確立されています。選びやすい理由:CKDが全身の血管疾患や循環器疾患のリスクを増大させることは広く認識されているため、脳卒中の危険因子であることも自然と正しいと判断しやすい。混同注意:CKDが心血管疾患の危険因子であることと、脳血管疾患の危険因子であることの区別。両者は密接に関連している。
国試ポイント
脳血管疾患の各病態と関連する危険因子、疫学について正確に理解しているかが問われる。特に脳出血、くも膜下出血、脳梗塞(塞栓症)の主要な原因やリスクファクターを区別して覚える必要がある。
混同注意
脳出血と脳梗塞の危険因子、一次予防と二次予防の概念、特定の疾患の疫学(性差や年齢分布)。
次に同じ論点が出たら
脳血管疾患の疫学に関する問題では、性差や年齢分布、地域差といった詳細なデータと、主要な危険因子が問われているかを確認する。特に「〜に多い」といった断定的な表現には注意し、例外や限定的な状況がないか検討する。
関連知識
脳卒中の分類(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)、各病態の病因・病態生理、主要な危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、喫煙、飲酒、肥満など)、癌と血栓症の関連(Trousseau症候群)。