心因性偽発作が疑われる患者における発作症状の観察の際に重要でないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
心因性非てんかん性発作(PNES)とてんかん発作の鑑別には、発作中の客観的な身体症状の観察が極めて重要です。咬舌、尿失禁、外傷、チアノーゼなどはてんかん発作に比較的特異的または頻度が高い症状であり、これらの有無は鑑別の有力な手がかりとなります。一方、流涙は情緒的な反応として起こり得るものの、発作の鑑別に直結する身体的なサインとしては重要度が低いです。
選択肢ごとの解説
- 1. 咬舌はてんかん発作で比較的よく見られる症状であり、心因性非てんかん性発作では稀です。そのため、鑑別の重要な手がかりとなります。正しくは:これは心因性非てんかん性発作とてんかん発作を鑑別する上で重要な観察項目です。選びやすい理由:一見すると心因性と関連が薄いように思えるかもしれませんが、鑑別点として非常に重要です。混同注意:てんかん発作に特徴的な症状と混同しやすいが、その有無が鑑別に役立ちます。
- 2. 正解。流涙は心因性非てんかん性発作の特異的な症状ではなく、てんかん発作との鑑別において決定的な情報とはなりません。情緒的な反応として起こり得るものですが、発作自体の診断基準や鑑別点としては重要度が低いとされます。正しくは:流涙は発作の鑑別において重要度が低い項目です。選びやすい理由:感情的な反応として心因性と関連があるように感じられるかもしれませんが、医学的な鑑別点としては優先度が低いです。混同注意:患者の感情表現と発作の病態生理学的な鑑別点とを混同しやすい。
- 3. 尿失禁はてんかん発作で起こりやすい症状の一つであり、心因性非てんかん性発作では比較的稀です。鑑別のために重要な観察項目です。正しくは:これは心因性非てんかん性発作とてんかん発作を鑑別する上で重要な観察項目です。選びやすい理由:発作中の身体的な反応として、てんかんと心因性の両方で起こりうると誤解しやすいですが、頻度とパターンが異なります。混同注意:てんかん発作と心因性発作における自律神経系の反応の違いと混同しやすい。
- 4. てんかん発作では、意識消失や転倒、痙攣に伴い、手足の骨折や打撲などの外傷を負うことがあります。心因性非てんかん性発作では通常、自己防衛的な動きが保たれるため、重度の外傷は稀です。これも鑑別点として重要です。正しくは:これは心因性非てんかん性発作とてんかん発作を鑑別する上で重要な観察項目です。選びやすい理由:外傷は両方の発作で起こりうると思うかもしれませんが、その頻度や重症度は異なります。混同注意:発作中に起こる身体的損傷の程度やメカニズムの違いと混同しやすい。
- 5. チアノーゼ(特に顔面や口唇)は、てんかん発作による呼吸抑制や舌根沈下、口腔内の痙攣などによって呼吸困難が生じた際に観察されることがあります。心因性非てんかん性発作では、通常、呼吸機能に直接的な影響を及ぼすことは稀であるため、鑑別の重要な手がかりとなります。正しくは:これは心因性非てんかん性発作とてんかん発作を鑑別する上で重要な観察項目です。選びやすい理由:呼吸の異常は両方の発作で起こりうると思うかもしれませんが、チアノーゼという特定の症状の有無が鑑別に役立ちます。混同注意:一時的な呼吸の乱れと、酸素飽和度低下による明らかなチアノーゼを混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、心因性非てんかん性発作とてんかん発作の鑑別における重要な観察項目と、そうでない項目を理解しているかを問うものです。特に、てんかん発作に特徴的な身体症状を把握していることがポイントになります。
混同注意
心因性発作における感情表現としての症状と、器質的なてんかん発作に起因する身体的症状を混同しやすい。特に、てんかん発作に付随する自律神経症状(尿失禁など)や、身体的損傷のリスクを理解しているかが問われます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、心因性非てんかん性発作とてんかん発作の鑑別における脳波検査の役割、または発作後の状態(Postictal state)の比較について問われる可能性があります。
関連知識
心因性非てんかん性発作は、てんかん発作に酷似した症状を示すことがあり、鑑別が困難な場合があります。確定診断には脳波検査が用いられることが多いですが、発作時の詳細な症状観察が非常に重要です。てんかん発作の典型的な症状として、全身性の強直間代性痙攣、意識消失、咬舌、尿失禁、発作後のもうろう状態などがあります。心因性発作では、非同期性の動き、発作時間の長さの変動、意識が保たれる場合が多い、自己防衛的な動きがみられる、重篤な外傷が稀である、などが挙げられます。