Alzheimer型認知症の進行度をADL障害の程度から評価するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
FAST(Functional Assessment Staging Test)は、アルツハイマー型認知症における認知機能の低下とそれに伴う日常生活動作(ADL)の障害の進行を、軽度から重度まで7段階で分類する尺度です。各段階は特定のADLの喪失と関連しており、病期の進行度を客観的に評価するのに適しています。
選択肢ごとの解説
- 1. Behave-AD(Behavioral Pathology in Alzheimer's Disease Rating Scale)は、アルツハイマー型認知症患者に特有の行動・精神症状(BPSD)を評価するための尺度であり、ADL障害の進行度を直接評価するものではありません。正しくは:Behave-ADは、主にBPSDの有無や重症度を評価します。選びやすい理由:アルツハイマー型認知症に関連する尺度なので、選びやすいかもしれません。混同注意:ADL評価尺度とBPSD評価尺度
- 2. DASC-21(Dementia Assessment Sheet for Community-based Integrated Care System-21 items)は、認知症高齢者の生活機能、行動心理症状、介護負担などを多角的に評価する包括的な尺度ですが、ADL障害の進行度を段階的に詳細に評価する主たる目的の尺度ではありません。正しくは:DASC-21は、地域包括ケアシステムにおける認知症高齢者の状態を把握し、支援を検討するための包括的な評価ツールです。選びやすい理由:認知症の生活機能を評価する要素も含むため、迷う可能性があります。混同注意:ADLの段階的進行度評価尺度と、生活機能の包括的評価尺度
- 3. MoCA-J(Montreal Cognitive Assessment-Japanese version)は、軽度認知障害(MCI)のスクリーニングや認知機能全般(注意、集中、遂行機能、記憶、言語、視空間認知など)を評価する尺度であり、ADL障害の進行度を評価するものではありません。正しくは:MoCA-Jは、認知機能のスクリーニングおよび評価に用いられます。選びやすい理由:認知症の評価尺度として有名なので、選びやすいかもしれません。混同注意:認知機能評価尺度とADL障害進行度評価尺度
- 4. 正解。FAST(Functional Assessment Staging Test)は、アルツハイマー型認知症の進行度を、ADL障害の観点から7段階で評価する尺度です。具体的にADLの自立度と認知機能の低下を結びつけて病期を判定するため、本設問の条件に合致します。正しくは:FASTはアルツハイマー型認知症のADL障害の進行度を7段階で評価します。
- 5. MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知症のスクリーニングや認知機能(見当識、記銘力、注意・計算、想起、言語、図形模写など)の全般的な状態を評価する尺度であり、ADL障害の進行度を直接評価するものではありません。正しくは:MMSEは、認知機能のスクリーニングおよび評価に用いられます。選びやすい理由:認知症の評価尺度として最も有名で広く使われているため、選びやすいかもしれません。混同注意:認知機能評価尺度とADL障害進行度評価尺度
国試ポイント
認知症の各タイプや評価目的(認知機能、ADL、BPSD、生活機能など)に応じた適切な評価尺度の選択能力が問われています。特に、名称が似ているものや広く認知されているが目的が異なる尺度との区別が重要です。
混同注意
認知症の評価尺度には、認知機能評価(MMSE, MoCA)、ADL評価(FAST, ADL尺度)、BPSD評価(Behave-AD, NPI)、QOL評価など多岐にわたります。それぞれの尺度の目的と評価項目を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず「何(認知機能、ADL、BPSDなど)を評価したいのか」を明確にし、その目的に最も合致する評価尺度を選択します。特に、進行度を評価したいのか、スクリーニングしたいのか、特定の症状(BPSDなど)を評価したいのか、という区別が重要です。
関連知識
FASTの各段階(例:ステージ1: 正常な成人, ステージ4: 複雑なADLに軽度の障害, ステージ7: 重度のADL障害)と、それぞれの段階における具体的なADL内容を把握しておくことが望ましいです。また、他の評価尺度(例: CDR (Clinical Dementia Rating) など)も進行度評価に用いられることがありますが、それぞれ評価の視点や項目が異なります。