左半側空間無視に対する作業療法で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
プリズム適応療法は、プリズムレンズによって視覚空間を右方へ偏位させることで、左半側空間無視患者の空間認知の偏りを修正し、左側空間への注意を強制的に促す治療法です。これは注意の再配分を促し、無視症状の改善に有効とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 間隔伸張法は記憶障害患者の記憶保持期間を延長するために用いられる学習方法であり、半側空間無視の直接的な介入法ではありません。正しくは:記憶障害に対する記憶保持訓練。選びやすい理由:リハビリテーションで用いられる一般的な技法であるため、選択肢として見慣れている。混同注意:記憶障害に対する介入法全般。空間認知の障害と記憶の障害を混同する。
- 2. 自己教示法は、自己の行動を言語化してガイドすることで、段取りや問題解決能力の改善を目指す方法です。注意の偏りを直接的に修正するものではなく、半側空間無視の主たる介入とは言い難いです。正しくは:遂行機能障害や注意障害による行動の組織化の困難に対する介入。選びやすい理由:注意を自分自身でコントロールする側面があるため、半側空間無視に応用できるように思える。混同注意:注意障害や遂行機能障害に対する介入。半側空間無視は注意の障害ではあるが、空間的な偏りが主症状。
- 3. 視覚イメージ法は、頭の中で視覚的なイメージを形成することで、記憶や注意力を補助する手法です。半側空間無視の空間認知の偏りを直接的に修正するものではありません。正しくは:記憶補助や集中力向上、運動イメージ練習などに用いられる。選びやすい理由:視覚という言葉が含まれるため、半側空間無視と関連があるように思える。混同注意:運動イメージ訓練や記憶術、注意集中訓練。空間無視による認知の歪みとは異なる。
- 4. 正解。プリズム適応療法は、プリズムレンズを用いて視覚空間を意図的に偏位させることで、左半側空間無視患者の注意を左側空間に強制的に誘導し、空間認知の偏りを修正する効果があります。選びやすい理由:半側空間無視に対する有効な治療法の一つとして知られている。混同注意:空間無視の他の介入法、例えば視覚探索訓練など。プリズム適応は受動的に視覚を偏位させる点が特徴。
- 5. 右後頸部振動刺激は、右頸部の深部感覚受容器を刺激することで、右大脳半球の活動を抑制し、相対的に左大脳半球の活動を高めることで、半側空間無視の改善を図るとされる場合がありますが、一般的には左頸部への刺激で右大脳半球の活動を促し、左側への注意を促すことが多いです。右後頸部への刺激では、無視側の注意を促す効果は限定的か、逆効果になる可能性もあります。正しくは:左後頸部振動刺激は、左半側空間無視患者の無視側空間(左側)への注意を促す効果が報告されている。選びやすい理由:感覚刺激が半側空間無視の治療に用いられることがあるため、正しい方法に見える。混同注意:頸部振動刺激全般。左右どちらの頸部を刺激するかによって効果が異なる点を混同する。
国試ポイント
半側空間無視に対する効果的な介入方法とその作用機序を理解すること。
混同注意
半側空間無視の介入法は多岐にわたるため、それぞれの方法の具体的な内容と対象疾患、作用機序を正確に区別することが重要です。特に、身体軸や視覚探索の誘導を目的とするものと、注意配分そのものを修正するものを混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
半側空間無視の介入法に関する問題が出た場合、各介入法がどのような機序で注意の偏りを修正するのか、または空間探索を促進するのかを具体的に理解しているかを確認して判断する。
関連知識
半側空間無視は右大脳半球損傷で左側空間無視が生じることが多く、注意機能障害と関連が深い。治療法として、視覚探索訓練、視覚スキャン訓練、肢体・体幹への感覚刺激、頸部振動刺激、眼球運動訓練、経頭蓋磁気刺激(rTMS)などがある。