手の運動で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
橈骨手根関節は楕円関節(顆状関節)であり、屈曲・伸展(前後軸)と橈屈・尺屈(内外側軸)の2方向の動きが可能です。したがって、2つの運動軸を持つという記述は正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。橈骨手根関節は楕円関節(顆状関節)に分類され、屈曲・伸展、橈屈・尺屈の2方向の運動を行うため、2つの運動軸(内外側軸と前後軸)を持ちます。
- 2. PIP関節の側副靭帯は、指の屈曲位で緊張し、伸展位で弛緩します。これは、屈曲位で靭帯の付着部が離れる構造になっているためです。これにより、屈曲位では安定性が増し、伸展位では回旋運動がわずかに可能になります。正しくは:PIP関節の側副靭帯は、指を曲げた位置で緊張します。選びやすい理由:他の関節(例:MCP関節)では伸展位で緊張するものもあり、混同しやすいです。混同注意:MCP関節の側副靭帯は、伸展位で弛緩し、屈曲位で緊張すると覚えてしまうと誤解が生じます。MCP関節は伸展位で緊張、PIP/DIP関節は屈曲位で緊張です。
- 3. 長母指外転筋は、母指の外転と手関節の橈屈に主に作用します。手関節の背屈には、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋などが主に関与します。正しくは:手関節を背屈させる動きには、長橈側手根伸筋や短橈側手根伸筋などが関与します。選びやすい理由:手の多くの筋肉が複数の関節に作用するため、機能が混同されやすいです。混同注意:長母指外転筋が手関節に作用する(橈屈)ことは正しいですが、背屈という点で誤りです。橈屈作用を持つ他の筋と混同しやすいです。
- 4. 手関節の橈屈の可動域は、前腕の回内位よりも回外位の方が広いです。これは、回外位にすることで、前腕の尺骨と手根骨がより離れ、橈骨手根関節の構造的な制限が少なくなるためと考えられます。正しくは:手関節の橈屈は、前腕を回内した位置よりも回外した位置の方が、可動域が広いです。選びやすい理由:日常動作で特定の肢位における関節可動域の違いを意識する機会が少ないため、知識が曖昧になりがちです。混同注意:前腕の肢位による手関節の可動域の変化を理解していないと、どちらが広いか判断がつきません。
- 5. 対立運動における手の横アーチの変化には、主に第4・5中手骨手根関節(CM関節)の可動性が関与します。これらの関節が可動することで、小指側が内転・屈曲し、母指と向き合う形を作ります。第2・3CM関節は比較的固定されており、横アーチの形成には直接的な大きな関与はありません。正しくは:対立運動における横アーチの変化には主に第4・5CM関節が関与します。選びやすい理由:CM関節が関わることは正しいのですが、どのCM関節が主要な役割を果たすかを把握していないと誤答しやすいです。混同注意:中手骨のCM関節の可動性の違い(第2・3CM関節は固定性、第1・4・5CM関節は可動性)を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、手関節の解剖学的知識、特に各関節の種類と運動軸、靭帯の機能、筋の作用、そして関節可動域に影響を与える要因を正確に理解しているかを問うものです。基本的な知識を多角的に問う形式です。
混同注意
各選択肢がそれぞれ異なる論点(関節の種類、靭帯機能、筋作用、関節可動域、アーチ構造)を扱っており、それぞれの知識が不正確だと迷いやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が問われた場合、各関節(特に手関節、指関節)の解剖学的分類とその運動特性、主要な筋の作用、そして関節の安定性に関わる靭帯の機能とその特徴(特定の肢位での緊張・弛緩)を正確に把握しているかを確認します。また、機能解剖学的な知識と臨床応用への理解を深めることが重要です。
関連知識
手根骨の名称と配置、各筋の起始・停止・支配神経と主な作用、関節の分類と運動軸、靭帯の機能と安定化機構、手のアーチ構造と機能。