うつ病の復職支援の説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
うつ病からの職場復帰を支援するリワークプログラムは、単に仕事の練習を行うだけでなく、利用者が自身の病気を深く理解し、ストレスに適切に対処し、再発を防ぐための知識やスキルを身につけることを重視します。そのため、疾病教育、ストレスマネジメント、自己管理、コミュニケーション、再発予防などのテーマを扱う教育プログラムは、リワークの重要な構成要素となっています。
選択肢ごとの解説
- 1. 誤りです。公務員も、うつ病などの精神疾患による休職からの職場復帰を目指す際に、復職支援プログラム(リワーク)を提供する精神科デイケアを利用することができます。利用対象者に職業による制限はありません。正しくは:公務員も、復職を目的とした精神科デイケアの利用対象とされています。選びやすい理由:制度利用の対象者が職業の種類によって限定されるケースがあるため、公務員は対象外という誤解が生じやすいかもしれません。混同注意:特定の福祉制度や手当の対象と、医療機関が提供するリワークプログラムの対象を混同しやすいです。
- 2. 誤りです。試し出勤は、病状が安定した労働者が本格的な職場復帰の前に、元の職場や模擬的な環境で業務を試行し、勤務への慣れや業務遂行能力、勤務継続の可能性を評価するものです。産業保健スタッフが常に同伴して行うものではありません。多くは、企業側との調整のもと、本人が自主的に行います。正しくは:試し出勤(リハビリ出勤)は、本格的な職場復帰に向けて、勤務環境に慣れ、業務遂行能力を評価するために試行的に行われる出勤のことです。選びやすい理由:復職支援の重要な一部であるため、専門家(産業保健スタッフ)の直接的な介入が常にあると想像しがちです。混同注意:職場復帰支援の一環として行われる職場訪問や、復職後の定着支援と混同しやすいです。
- 3. 誤りです。地域障害者職業センターは、職業リハビリテーションを専門とする機関であり、リワーク支援の主な目的は、病状回復ではなく、職業能力の維持・向上、職場適応、そして再発予防を含めた安定した職場復帰を支援することです。病状の回復そのものは医療機関の役割です。正しくは:地域障害者職業センターが提供するリワーク支援は、職業能力の維持・向上、職場適応、および安定した職場復帰を主な目的としています。選びやすい理由:リワーク支援全体で見れば病状回復も不可欠な要素であるため、広義に捉えてしまいやすいですが、機関ごとの具体的な役割分担が問われています。混同注意:医療機関(精神科病院など)が提供するリワークプログラムと、地域障害者職業センターの役割を混同しやすいです。
- 4. 誤りです。リワークプログラムは、急性期を脱し、病状が安定してある程度の回復が見られる「回復期」に導入されるのが適切です。安静・休養期間が終了した直後では、心身の準備が整っておらず、再発のリスクが高まる可能性があります。正しくは:うつ病の急性期を脱し、病状が安定して回復期に入ってから、リワークプログラムを導入します。選びやすい理由:早期の職場復帰が望ましいという考えから、回復の兆しが見えればすぐにでも介入すべきだと考えがちです。混同注意:早期介入の重要性と、適切な介入タイミングの判断を混同しやすいです。
- 5. 正解。正しいです。リワークプログラムでは、疾病理解(うつ病の症状、経過、治療法など)、ストレスマネジメント(ストレスへの対処法)、自己管理(生活リズムの調整、服薬管理)、コミュニケーションスキルの向上、再発予防といった、様々なテーマに関する教育的なプログラムが一般的に実施されます。これらは、安定した職場復帰と再発予防のために不可欠な要素です。
国試ポイント
うつ病患者の復職支援に関して、各支援機関の役割、プログラムの具体的な内容、介入の適切なタイミング、および制度の対象者に関する基本的な知識が問われています。特に、医療、福祉、職業支援がどのように連携し、それぞれの専門性がどこにあるかを理解しているかが重要です。
混同注意
医療機関のリワークプログラム、地域障害者職業センターのリワーク支援、精神科デイケアの役割分担、および各プログラムの適切な介入時期(急性期、回復期、維持期)の区別が混同しやすいポイントです。また、試し出勤と職場訪問支援など、異なる支援形態の目的と内容を混同することもあります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、「どの機関(医療機関、職業センターなど)が」「どのような目的で(病状回復、職業能力向上、職場復帰など)」「どのような支援(教育プログラム、模擬訓練、試し出勤など)を提供するのか」、そして「適切な介入時期(急性期、回復期、維持期)はいつか」という軸で各選択肢を評価し、具体的なプログラム内容にも注目して判断しましょう。
関連知識
リワーク支援は、医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理士、産業医、保健師など、多職種連携が不可欠です。地域障害者職業センター、精神科デイケア、EAP(従業員支援プログラム)などの各機関・サービスの役割と機能、試し出勤制度、職場復帰支援プランの作成、そしてうつ病の病期(急性期、回復期、維持期)とそれぞれの段階における治療・支援の目標を理解しておくことが重要です。