集団作業療法について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
調理活動のように、段階的な作業や役割分担、協調性が求められる活動は、メンバーが固定され継続的な関係性を築きやすい閉鎖集団の方が、円滑に実施しやすく、治療効果も高まりやすいとされています。開放集団ではメンバーの出入りが激しいため、安定した計画遂行が困難になります。
選択肢ごとの解説
- 1. レクリエーション活動は、柔軟な参加が可能なため、開放集団でも十分に実施できます。むしろ、参加の敷居が低く、多くの人が気軽に参加しやすい活動であるため、開放集団に適している場面も多いです。正しくは:レクリエーション活動は、参加者が自由に出入りする開放集団でも実施可能です。選びやすい理由:開放集団では参加者が固定されず、計画的な活動が難しいと考えるかもしれませんが、レクリエーションは比較的即興的、短期的な活動も多いため、柔軟に対応できます。混同注意:開放集団と閉鎖集団それぞれの活動特性の理解不足。レクリエーションの定義や目的が混同されている可能性があります。
- 2. 正解。調理活動のような、一定の計画性、役割分担、継続性、そして参加者間の協力が求められる活動は、メンバーが固定され、互いの信頼関係や協力体制が築きやすい閉鎖集団の方が、効果的に実施しやすいです。開放集団では、参加者が頻繁に入れ替わるため、毎回オリエンテーションや役割分担の調整が必要となり、活動が円滑に進みにくい側面があります。選びやすい理由:正答のため特になし。
- 3. 集団の凝集性とは、メンバー間の結束力や一体感を指します。閉鎖集団では、メンバーが固定され、継続的に交流することで、互いの理解や信頼が深まり、凝集性が高まりやすいです。開放集団では、メンバーが入れ替わるため、深い関係性を築くのが難しく、凝集性は一般的に閉鎖集団よりも低くなります。正しくは:メンバーが固定された閉鎖集団の方が、参加者が自由に出入りする開放集団よりも、参加者間の凝集性が高まりやすいです。選びやすい理由:開放集団の方が多くの人と出会う機会があるため、人間関係が広がり、一見すると集団としての活気があるように思えるかもしれませんが、凝集性は『特定のメンバー間の結束力』を指します。混同注意:凝集性の意味合いや、開放集団と閉鎖集団における人間関係の深さや質に関する理解が曖昧な可能性があります。
- 4. 精神科急性期の患者は、症状が不安定であったり、他者との交流に抵抗があったりすることが多いため、個別のニーズに応じた個人作業療法が優先される場合が多いです。集団作業療法は、症状が安定し、他者との交流が可能になってから導入を検討します。正しくは:精神科急性期においては、集団での作業療法よりも、個人での作業療法が優先される場合が多いです。選びやすい理由:集団作業療法が社交性や活動性向上に役立つことから、早期から取り入れたいと考えるかもしれませんが、患者の状態を考慮することが重要です。混同注意:精神科における病期と作業療法アプローチの原則の理解不足。急性期の患者の状態やニーズが考慮されていない可能性があります。
- 5. 受容体験は、他者との交流の中で自身の存在が認められたと感じることで得られます。集団作業療法では、他の参加者や療法士から自身の言動や存在を受け入れられる機会が多く、共感や承認を通じて受容体験を得やすいとされています。個人作業療法では療法士との一対一の関係での受容体験が中心となりますが、集団での多角的な受容とは質が異なります。正しくは:個人で行う作業療法よりも、集団で行う作業療法で受容体験は得られやすいです。選びやすい理由:個人作業療法では療法士が患者に深く関わるため、受容を得やすいと感じるかもしれませんが、集団における多様な他者からの受容も非常に重要です。混同注意:受容体験の質と量、および集団力動の利点に関する理解不足。集団活動がもたらす治療効果の認識が曖昧な可能性があります。
国試ポイント
集団作業療法における『開放集団』と『閉鎖集団』それぞれの特性と、それに適した活動内容や治療効果の違いが問われています。また、精神科の病期と作業療法の適切な選択についても理解が必要です。
混同注意
開放集団と閉鎖集団の特性(凝集性、活動内容の適応)、精神科の病期と作業療法の関係、受容体験が集団で得られやすいか個人で得られやすいか、といった論点が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各集団形態(開放・閉鎖)のメリット・デメリット、適応される病態や時期、そして具体的な活動例を深く問われる可能性があります。また、受容体験や自己肯定感といった心理的な治療目標を達成しやすい環境はどちらか、といった応用的な問題も想定されます。
関連知識
集団作業療法の種類(構造化集団、非構造化集団など)、集団力学(凝集性、コミュニケーションパターン、役割など)、精神科作業療法の原則(急性期、回復期、慢性期それぞれの目標とアプローチ)、各活動の治療的意義。