「持続性・安定性」と「自己認識」が下位尺度に含まれる社会機能の評価法はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
LASMI(Life Assessment Scale for the Mentally Ill)は、精神疾患患者の生活機能および社会適応能力を評価する尺度です。この尺度は、患者の生活スキルや行動の側面を多角的に捉えることを目的としており、「持続性・安定性」と「自己認識」は、その中核をなす下位尺度として明確に位置づけられています。前者は行動の安定性や継続性、後者は自身の状態や能力に対する理解度を評価します。
選択肢ごとの解説
- 1. SFSは精神疾患患者の社会機能評価に用いられますが、「持続性・安定性」や「自己認識」といった具体的な下位尺度は含んでいません。活動性と役割遂行能力に焦点を当てた尺度です。正しくは:SFSは主に日常活動、対人関係、仕事・学業などの広い領域を評価します。選びやすい理由:社会機能評価スケールであるため、関連があるように見えます。混同注意:他の社会機能評価尺度全般と混同しやすいです。
- 2. Rehabは幻覚・妄想などの精神病症状の評価に特化したツールであり、社会機能の評価ではありません。また、下位尺度として「持続性・安定性」や「自己認識」は含まれません。正しくは:Rehabは精神病の症状を評価するツールです。選びやすい理由:精神科領域で使われる評価ツールであるため、社会機能評価と誤解する可能性があります。混同注意:精神症状評価と社会機能評価を混同しやすいです。
- 3. SF-36は一般的な健康関連QOL(Quality of Life)を評価する尺度であり、身体機能、精神的健康、社会生活機能などを広範囲にわたって評価しますが、「持続性・安定性」や「自己認識」といった具体的な下位尺度は持ちません。正しくは:SF-36は健康関連QOLを多角的に評価する汎用的な尺度です。選びやすい理由:社会生活機能も評価項目に含まれるため、一部合致するように思えるかもしれません。混同注意:QOL評価尺度と特定の社会機能評価尺度を混同しやすいです。
- 4. 正解。LASMIは精神疾患患者の生活機能・社会適応能力を評価するための尺度であり、「持続性・安定性」と「自己認識」は主要な下位尺度として含まれています。これらは患者の生活スキルや自己理解の側面を捉えるものです。
- 5. これは特定の評価尺度名ではなく、アセスメントの目的や種類を示唆する名称です。日本作業療法士協会が作成・推奨する評価ツールは複数存在しますが、この表記自体が特定の評価尺度の固有名詞ではなく、また「持続性・安定性」や「自己認識」を直接の下位尺度として持つわけではありません。正しくは:これは特定の評価尺度を指すものではなく、精神障害者のケアアセスメント全般を指します。個別の評価尺度名ではありません。選びやすい理由:『日本作業療法士協会版』という言葉に権威性や正答感を覚える可能性があります。混同注意:特定の評価尺度名と、一般的なアセスメントガイドラインやフレームワークを混同しやすいです。
国試ポイント
精神科領域で用いられる各種評価尺度の名称、目的、および主要な下位尺度(評価項目)を正確に理解しているかが問われる問題です。特に、特定の評価尺度に特徴的な下位尺度を把握している必要があります。
混同注意
精神科領域の社会機能評価尺度全般(SFS、GAFなど)と混同しやすいですが、問われている下位尺度の有無が判断の鍵となります。また、QOL尺度(SF-36)や症状評価尺度(Rehab)と社会機能評価尺度を区別する知識も重要です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が問われる場合、他の社会機能評価尺度(例:SFS)の具体的な下位尺度や、精神科領域でよく用いられるQOL評価尺度(例:Q-LES-Q)の特徴的な評価項目が問われる可能性があります。また、DSM-5の機能評価尺度(WHODAS 2.0)やICFの概念との関連性を問う問題も出題されうるため、各評価尺度がICFのどの要素と関連するかについても確認が必要です。
関連知識
精神科OTで用いられる主要な評価尺度(BPRS, PANSS, GAF, SFS, CANSAS, HoNOS, MoCA, MMSEなど)のそれぞれの目的、対象、評価項目、および特徴的な下位尺度を一覧で整理しておくことが推奨されます。特に、どの評価が『社会機能』に特化しているのか、その中でも何が特徴なのかを理解することが重要です。