痙縮治療について適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
痙縮に対する治療法は多岐にわたりますが、経皮的電気刺激(TENS)は、筋の過緊張を和らげたり、拮抗筋を刺激して相乗効果を促したりすることで、痙縮の症状緩和に有効な物理療法の一つとされています。選択肢1の内服治療、選択肢2の温熱療法は、痙縮治療として適切に行われることがあります。選択肢4のボツリヌス毒素療法は、上肢の痙縮にも広く有効です。選択肢5の筋力増強訓練は、適切な方法で行えば機能改善に寄与する場合があります。したがって、経皮的電気刺激が適切な治療法であるという記述が正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 痙縮に対する内服治療は一般的に行われます。例えば、ジアゼパムやバクロフェンなどが筋弛緩薬として使用され、全身性の痙縮緩和に効果が期待できます。正しくは:痙縮に対しては、内服薬による治療が効果的な場合があります。選びやすい理由:特定の治療法に限定されがちな思考から、内服治療が主要ではないと誤解する可能性があります。混同注意:特定の局所療法(ボツリヌス毒素注射など)が強調されがちなため、内服治療の重要性が見落とされやすいです。
- 2. 温熱療法は、筋緊張の緩和や血行促進効果があるため、痙縮の症状緩和に有効な場合があります。禁忌ではありません。正しくは:温熱療法は、痙縮の緩和に有効な手段の一つとして用いられます。選びやすい理由:急性期の炎症や感覚障害がある場合の注意点と混同し、一律に禁忌と誤解する可能性があります。混同注意:温熱療法がすべての状態に適しているわけではないという注意点と、使用してはいけないという禁忌を混同する可能性があります。
- 3. 正解。経皮的電気刺激(TENS)は、筋の過活動を抑制したり、拮抗筋を刺激することで痙縮の緩和に効果があるとされており、治療法の一つとして適切です。
- 4. ボツリヌス毒素療法は、過活動な筋に直接注射することで痙縮を緩和させるため、上肢の痙縮に対しても非常に有効な治療法として広く用いられています。正しくは:ボツリヌス毒素療法は、上肢の痙縮に対しても有効な治療法です。選びやすい理由:一部の患者には効果が限定的であることや、下肢への適応が多いイメージから、上肢には効果がないと誤解する可能性があります。混同注意:ボツリヌス毒素療法の効果の持続期間や、注射部位の選択といった詳細な知識と、有効性そのものを混同する可能性があります。
- 5. 適切な筋力増強訓練は、痙縮そのものを直接悪化させるのではなく、むしろバランスの改善や廃用性萎縮の予防に繋がり、結果的に機能改善に寄与する場合があります。ただし、無理な訓練は避けるべきです。正しくは:下肢の筋力増強訓練は、痙縮の悪化を避けつつ、適切な方法で行えば機能改善に繋がることがあります。選びやすい理由:過度な負荷や不適切な運動が痙縮を一時的に増強させる可能性があることから、訓練全般を避けるべきだと誤解する可能性があります。混同注意:筋の過緊張状態における運動療法の難しさや注意点と、筋力増強訓練そのものが禁忌であるという考えを混同する可能性があります。
国試ポイント
痙縮に対する多角的な治療選択肢(薬物療法、物理療法、注射療法、運動療法など)の基本的な知識を問う問題です。各治療法の適応と禁忌、効果について正確に理解しているかが重要となります。特に、「禁忌である」「~ない」といった否定的な表現には注意が必要です。
混同注意
痙縮治療に関する様々な情報が混在しており、各治療法の効果や副作用、適応を正確に理解していないと、誤った選択肢を選んでしまう可能性があります。特に、禁忌事項や効果がないと誤解しやすい点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、個別の治療法の具体的な作用機序、効果の持続期間、副作用、他の治療法との組み合わせによる相乗効果、そして患者の病態に応じた治療選択の優先順位について問われる可能性があります。また、新しい治療法の動向にも注目が必要です。
関連知識
痙縮の病態生理、各種薬物療法(バクロフェン、ジアゼパム、チザニジンなど)、ボツリヌス毒素療法の作用機序、物理療法(温熱、寒冷、電気刺激など)の目的と効果、装具療法、運動療法の原則と注意点、外科的治療(バクロフェン髄腔内投与、選択的脊髄後根切断術など)。