車椅子自走が移動手段である患者の外出について適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
車椅子利用者が外出する際には、アクセス可能なトイレの確保が非常に重要です。特に外出先では、一般のトイレが利用できない場合が多いため、事前に多目的トイレ(車椅子対応トイレ)の有無や場所を確認しておくことは、快適で安全な外出を計画する上で不可欠な準備となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 車椅子利用者がバスに乗車することは可能です。最近のバスはノンステップバスが増え、車椅子スペースも設けられています。スロープなどの設備も利用できます。正しくは:公共交通機関であるバスも積極的に利用を検討する。選びやすい理由:バスの乗降に介助が必要な場合があるため、利用が難しいと誤解する可能性がある。混同注意:介助が必要な状況と、利用そのものが不可能であるという状況を混同している。
- 2. 駅員による介助(携帯スロープの設置など)が一般的に必要であり、自力での乗降は困難な場合が多いです。安全確保のためにも駅員のサポートを受けるのが適切です。正しくは:電車への乗り降りには、必要に応じて駅員の介助を依頼する。選びやすい理由:自走式車椅子という設問条件から、何でも自力で解決すべきだと誤解する可能性がある。混同注意:自力で車椅子を操作できることと、公共交通機関の利用で介助が不要であることを混同している。
- 3. 車椅子は基本的に歩行者と見なされるため、歩道を通行するのが原則です。車道は自動車が走行するため危険であり、やむを得ない場合に限られます。正しくは:歩道を通行し、やむを得ない場合を除き車道の通行は避ける。選びやすい理由:歩道の段差や狭さを考慮し、車道の方が安全と誤解する可能性がある。混同注意:自転車の通行ルールや、歩道の状態が悪い場合の対処と混同している。
- 4. ティルト式車椅子は、主に座位保持が困難な方や体圧分散が必要な方に用いられます。自走が主な移動手段である場合、軽量で操作性の良い自走用車椅子が適しており、ティルト式は重く操作しにくい傾向があります。正しくは:自走に適した軽量で操作性の良い車椅子を使用する。選びやすい理由:車椅子の種類に関する知識が不十分だと、何となく良さそうだと誤解する可能性がある。混同注意:ティルト機能の利点(体圧分散、姿勢保持)と、自走能力の高い人にとっての最適な車椅子選択を混同している。
- 5. 正解。車椅子利用者が外出する上で、トイレの利用は重要な課題です。事前に多目的トイレ(車椅子対応トイレ)の場所を把握しておくことは、安心して外出するためにも非常に重要で適切な準備です。
国試ポイント
本問題は、車椅子利用者の外出における具体的な配慮点や準備について問うものです。単に車椅子の操作能力だけでなく、外出環境に対する実践的な知識が求められます。特に公共交通機関の利用、道路交通法上の位置づけ、車椅子の種類選択、および生活に必要なインフラ(トイレなど)の確認といった、日常生活におけるリアリティのある問題解決能力を評価しています。
混同注意
車椅子の種類や機能に関する知識が不十分な場合、各選択肢の判断が難しくなります。また、公共交通機関のバリアフリー化が進んでいる現状と、個別の介助が必要な場面の区別が曖昧だと誤った選択をしてしまう可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、車椅子利用者のADL(Activities of Daily Living)を支援する具体的な方法や、外出時の環境調整に関する問題が出ると考えられます。例えば、特定の場所(病院、ショッピングモールなど)での移動支援、災害時の避難、情報アクセスの確保といった視点から問われる可能性があります。
関連知識
車椅子利用者の外出支援、バリアフリーに関する知識(建築基準法、移動等円滑化促進法)、車椅子の種類と適応、公共交通機関の利用ガイドライン、高齢者・障害者の交通安全。