精神障害者の就労と最も関連があるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
精神障害のある方の就労において、精神症状の有無や重症度、病名、過去の治療歴なども影響を与えますが、これらは本人の就労意欲を前提として機能する要素です。職業訓練も、就労意欲がなければ効果を発揮しません。様々な制約や課題があっても、本人が「働きたい」という強い意欲を持っていれば、それを基盤として適切な支援や環境調整を行うことで就労への道が開かれます。つまり、内発的な動機付けが最も重要な関連要因であると言えます。
選択肢ごとの解説
- 1. 精神症状の重症度が高いと就労が困難になる傾向はありますが、症状が重くても就労意欲やサポートがあれば就労できるケースもあります。また、症状の波がある中で仕事に就いている人も多く、最も直接的な関連要因とは言えません。正しくは:精神症状の重症度は、就労のしやすさに影響を与える一つの要因ではありますが、これだけで就労の成否が決まるわけではありません。選びやすい理由:精神疾患である以上、症状が仕事に大きく影響すると考えるのは自然なため、選びやすい選択肢です。混同注意:症状の安定と就労の安定性を混同するかもしれません。症状が不安定でも適切な配慮があれば就労可能な場合もあります。
- 2. 精神障害の診断名そのものが、就労の可否や成功を直接的に決定するわけではありません。同じ診断名でも、個人の症状、機能レベル、就労意欲、サポート体制は大きく異なります。正しくは:精神障害の診断名は就労支援の方向性を考える上での参考情報になりますが、それ自体が就労を直接的に決定する要因ではありません。選びやすい理由:診断名によって受けられる支援の種類や制度が変わることがあるため、就労と関連が深いように感じられるかもしれませんが、最も直接的な要因ではありません。混同注意:診断名と症状の程度や機能障害の程度を混同することがあります。診断名は共通でも、実際の生活機能や仕事への影響は個人差が大きいです。
- 3. 職業準備訓練は就労に必要なスキルや習慣を身につける上で非常に有効ですが、訓練を長時間受けたからといって必ずしも就労に繋がるとは限りません。最も重要なのは、本人の訓練内容への主体的な取り組みや、その後の就労意欲です。正しくは:職業準備訓練は就労を円滑に進めるための手段の一つですが、訓練時間そのものが就労の成否を決定する最も重要な要因ではありません。選びやすい理由:就労に必要なスキルを学ぶ場であるため、関連が深いと考えやすい選択肢です。混同注意:訓練の量と訓練による効果、そして本人の意欲を混同することがあります。訓練の効果は時間だけでなく質や本人の取り組みに左右されます。
- 4. 過去の入院期間が長いことは、精神疾患の重症度や治療の困難さを示唆する場合がありますが、それが現在の就労意欲や就労可能性を直接的に決定するものではありません。退院後、安定した状態で就労している人も多くいます。正しくは:これまでの入院期間は過去の病状を示しますが、現在の就労可能性や本人の意欲を直接的に示すものではありません。選びやすい理由:入院歴が長いと病状が重く、就労が難しいというイメージから選びやすい選択肢です。混同注意:過去の病歴と現在の状態、将来の可能性を混同することがあります。
- 5. 正解。精神障害のある方が就労を目指す上で、本人が「働きたい」という強い意欲を持っていることが最も重要です。意欲があれば、多少の症状があっても工夫したり、支援を受けたりしながら就労に繋がる可能性が高まります。他の選択肢はすべて、この意欲をサポートする要素や、就労に影響を与える側面ではありますが、最も直接的で核となる要因は本人の意欲です。
国試ポイント
精神障害者の就労支援において、何が最も重要な成功要因であるかを問う問題です。単に病状や機能レベルだけでなく、本人の主体的な意思や動機付けが不可欠であることを理解しているかどうかが問われます。直接的な要因と間接的な要因を見極める視点が求められます。
混同注意
精神症状の安定、適切な支援、職場環境などの外部要因と、本人の内発的要因(意欲)を混同しやすいです。これらはすべて重要ですが、最も根本的で不可欠なのは本人の意欲です。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われるとしたら、具体的な就労支援サービスの内容、支援者が就労意欲を引き出すための関わり方、あるいは就労継続のために必要な環境調整や配慮事項などが考えられます。また、就労準備性ピラミッドのような概念と関連付けて問われる可能性もあります。
関連知識
障害者総合支援法における就労支援(就労移行支援、就労継続支援A/B型)、精神保健福祉士の就労支援の役割、リカバリーの概念(本人の意思尊重)、動機付け面接の応用、ICF(国際生活機能分類)における個人因子と環境因子の関係。