統合失調症の精神病後抑うつからの回復初期の指標はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
統合失調症の精神病後抑うつからの回復初期の指標として、基本的な生理的欲求(食欲、睡眠)の回復は非常に重要です。抑うつ状態ではこれらの機能が障害されるため、空腹感や熟眠感の回復は、生命活動の安定と精神状態の好転を示すポジティブな兆候と捉えられます。一方、億劫感、疲労感、不安感は抑うつ症状の一部であり、回復初期にはむしろ軽減していくべき症状です。
選択肢ごとの解説
- 1. 「億劫感」は意欲の低下や抑うつ症状の一部であり、回復初期の良好な兆候とは言えません。むしろ、抑うつが持続している状態を示唆します。正しくは:回復の兆候としては、億劫感が減少し、自発性が回復してくることが挙げられます。選びやすい理由:抑うつ状態ではよく見られる症状のため、回復と誤認しやすいかもしれませんが、これは症状の残存です。混同注意:活動性の回復や意欲の向上と混同しやすいですが、億劫感は意欲の低下を意味します。
- 2. 正解。精神病後抑うつ状態では、食欲不振や食事への関心の低下が見られることが多く、回復とともに生理的な欲求である空腹感が戻ることは、基本的な生命活動の回復を示す良い兆候です。
- 3. 正解。抑うつ状態では不眠や過眠、質の悪い睡眠が一般的であり、回復過程において睡眠リズムが整い、熟眠感が得られるようになることは、精神的な安定と身体的な回復の重要な指標です。
- 4. 「疲労感」は抑うつ症状の代表的なものであり、回復初期の指標としては不適切です。回復が進行すれば疲労感は軽減されます。正しくは:回復の兆候としては、疲労感が減少し、活動できる時間が増えることが挙げられます。選びやすい理由:抑うつ状態からの回復には時間がかかり、疲労が続くこともあるため、選びやすいかもしれません。混同注意:身体活動の回復と混同しやすいですが、疲労感は意欲や活動性の低下を示す症状です。
- 5. 「不安感」も抑うつ症状や精神的な不安定さを示す症状であり、回復初期の良好な指標とは言えません。回復が進めば不安は軽減されます。正しくは:回復の兆候としては、不安感が減少し、落ち着きや安心感が増すことが挙げられます。選びやすい理由:精神疾患では不安を伴うことが多いため、回復過程で不安が残ると考えがちです。混同注意:精神病症状の軽減や落ち着きと混同しやすいですが、漠然とした不安はネガティブな感情です。
国試ポイント
統合失調症の精神病後抑うつ状態における、回復期の具体的な身体的・精神的サインを問う問題です。単なる症状の有無だけでなく、それが「回復初期の指標」として適切かどうかを判断する能力が求められます。特に、基本的な生理的欲求の回復に注目させる点がポイントです。
混同注意
抑うつ症状そのもの(億劫感、疲労感、不安感)と、回復の兆候としての生理的欲求の回復(空腹感、熟眠感)を混同しやすいです。抑うつ状態ではネガティブな感情や身体症状が前景に出るため、それらが残存していることを回復と誤認してしまう可能性があります。
次に同じ論点が出たら
この論点が出た場合、次に注目すべきは、回復期における社会的機能や認知機能の回復に関する指標、あるいは具体的な作業活動への参加意欲や遂行能力の向上を示すサインでしょう。また、抑うつ症状と混同しやすい陰性症状との鑑別も重要になります。
関連知識
精神疾患における抑うつ症状全般、統合失調症の陽性症状・陰性症状・認知機能障害、抗精神病薬の副作用、作業療法における精神科領域のアセスメント(意欲、活動性、生活習慣、睡眠、食事など)。特に、精神病後の回復段階やリハビリテーション過程における目標設定や評価の視点が重要です。