治療法と対象の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
Frenkel体操は脊髄性運動失調による協調運動障害に、ミラーセラピーは幻肢痛の治療にそれぞれ有効であることが知られています。他の選択肢は、治療法と対象疾患の組み合わせが誤っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Frenkel体操は、脊髄性運動失調などによる協調運動障害に対し、視覚を利用して運動の正確性を高めるために考案された運動療法です。視覚フィードバックを用いて、反復練習により運動の協調性を改善します。
- 2. Codman体操は、肩関節周囲炎(凍結肩など)に対する運動療法であり、振り子運動によって肩関節の可動域改善や痛みの軽減を図ります。腰痛症の治療法ではありません。正しくは:Codman体操の対象は、肩関節周囲炎です。選びやすい理由:体操名と疾患名が医療分野で頻繁に聞かれるため、正しい組み合わせに見えるかもしれません。混同注意:Codman体操と、腰痛症に対するMcKenzie法やWilliams体操などの脊椎体操と混同しやすいかもしれません。
- 3. 漸増抵抗運動(Progressive Resistive Exercise: PRE)は、筋力増強を目的とした運動療法であり、重錘などを用いて徐々に抵抗を増やしながら実施します。痙縮がある場合、抵抗運動は痙縮を増強させる可能性があるため、原則として禁忌または慎重に適用されます。痙縮の治療には、ストレッチ、ボツリヌス療法、薬物療法などがあります。正しくは:痙縮に対する治療法としては、ストレッチやボツリヌス療法、薬物療法などが適切です。漸増抵抗運動は筋力増強を目的とします。選びやすい理由:運動療法の一種であるため、何らかの機能改善に役立つと考えてしまう可能性があります。混同注意:筋力増強運動と、痙縮に対する治療を混同しやすいかもしれません。痙縮は筋緊張亢進であり、筋力低下とは異なる病態です。
- 4. Williams体操は、主に腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などによる慢性腰痛の治療に用いられる運動療法で、腹筋強化や骨盤後傾運動が中心です。下肢閉塞性動脈硬化症に対する運動療法は、間欠性跛行の改善を目的とした歩行運動などが一般的です。正しくは:Williams体操の対象は、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などによる慢性腰痛です。選びやすい理由:Williams体操が脊椎疾患に関わることは知っていても、具体的な対象疾患を間違えやすいかもしれません。下肢の症状がある疾患と結びつけてしまう可能性があります。混同注意:Williams体操と、下肢閉塞性動脈硬化症に対するBuerger体操や間欠跛行に対する歩行訓練などを混同しやすいかもしれません。
- 5. 正解。ミラーセラピー(鏡療法)は、幻肢痛や複合性局所疼痛症候群(CRPS)などの治療に用いられる方法です。鏡を利用して、切断された肢が存在するように錯覚させ、脳の再編成を促すことで痛みの軽減を図ります。
国試ポイント
この問題は、主要な治療法とそれらが適用される代表的な疾患との正確な関連性を問うものです。各治療法の適応と禁忌を理解しているかが試されます。
混同注意
多くの運動療法や物理療法があり、それぞれの名称と適応疾患を正確に覚える必要があります。特に、名前が似ていたり、特定の部位(例:肩、腰)に関わる複数の療法があったりするため、混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後も治療法と疾患の組み合わせを問う問題は出題されると予想されます。特に、リハビリテーションで用いられる代表的な運動療法や物理療法について、その目的、適応疾患、禁忌事項を一覧で確認し、正しく記憶しているかを再確認することが重要です。
関連知識
Frenkel体操(脊髄性失調)、Codman体操(肩関節周囲炎)、漸増抵抗運動(筋力増強、痙縮には禁忌)、Williams体操(腰痛、脊椎疾患)、McKenzie法(腰痛)、Buerger体操(閉塞性動脈硬化症)、ミラーセラピー(幻肢痛、CRPS)。