皮膚筋炎について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
皮膚筋炎の典型的な症状の一つとして、体幹に近い部位、特に肩甲帯や骨盤帯の筋肉に優位な筋力低下が見られます。これにより、腕を挙げる、立ち上がる、階段を昇るといった動作が困難になります。この特徴は、他の筋疾患との鑑別にも重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 皮膚筋炎は女性にやや多く見られる自己免疫疾患です。正しくは:皮膚筋炎は女性にやや多い傾向があります。選びやすい理由:自己免疫疾患には性差があるものが多いので、どちらかの性別に偏りがあるという記述自体はあり得るため、注意が必要です。混同注意:他の自己免疫疾患における性差と混同しやすいです(例:関節リウマチも女性に多い、強直性脊椎炎は男性に多い)。
- 2. 胸腺腫との合併はまれです。多発性筋炎・皮膚筋炎で合併する悪性腫瘍としては、胃がん、肺がん、乳がんなどが多く、胸腺腫の合併は非常に稀です。正しくは:高頻度で胃がんや肺がんなどの悪性腫瘍を合併する場合があります。選びやすい理由:自己免疫疾患と悪性腫瘍の合併はよくあるため、特定の腫瘍名を挙げられるとそれが正しいかのように錯覚しがちです。混同注意:重症筋無力症は胸腺腫との関連が深く、これと混同しやすいです。皮膚筋炎は他の悪性腫瘍との合併が多いのが特徴です。
- 3. 皮膚筋炎は炎症性疾患であるため、赤沈は亢進することが多いです。CRPやLDHなどの炎症マーカーも上昇します。正しくは:赤血球沈降速度(赤沈)は亢進することが多いです。選びやすい理由:赤沈が常に亢進するわけではないため、亢進しないケースもあるという誤解から選びやすいかもしれません。混同注意:全身性エリテマトーデスなど他の自己免疫疾患での赤沈上昇と共通する点から、皮膚筋炎でも同様に亢進することを覚えておく必要があります。
- 4. 食道・咽頭筋の炎症により嚥下障害をきたすことがあります。これは日常生活動作に大きく影響するため、重要な症状の一つです。正しくは:食道や咽頭の筋肉が侵されることで嚥下障害をきたすことがあります。選びやすい理由:「筋肉の炎症」といえば四肢の筋力低下をイメージしやすく、嚥下筋への影響を見落としがちです。混同注意:嚥下障害は脳血管疾患などでよく見られる症状ですが、自己免疫性筋炎でも起こり得るという点で注意が必要です。
- 5. 正解。皮膚筋炎は、肩関節や股関節周囲の筋肉といった近位筋に優位な筋力低下をきたすことが特徴的です。これにより、腕を上げる、立ち上がるなどの動作が困難になります。正しくは:この選択肢は正しい記述です。混同注意:遠位筋優位の筋力低下を起こす疾患(例:ギラン・バレー症候群の一部、Charcot-Marie-Tooth病など)と混同しないように区別が必要です。
国試ポイント
皮膚筋炎の基本的な病態や症状、特に特徴的な筋力低下の分布(近位筋優位)について理解しているかを問う問題です。他の合併症や検査所見に関する知識も合わせて問われています。
混同注意
多発性筋炎との区別、他の筋疾患(筋ジストロフィー、重症筋無力症など)や神経疾患による筋力低下のパターンとの混同に注意が必要です。特に、近位筋優位の筋力低下は多発性筋炎でも見られますが、皮膚症状の有無で区別されます。
次に同じ論点が出たら
今後、この疾患に関する問題が出題された場合、特徴的な皮膚症状や、合併症の詳細(特に悪性腫瘍の種類)、さらには治療薬の種類やその副作用について問われる可能性があります。
関連知識
皮膚筋炎の診断基準(ヘンソン・ピーターズ基準など)、特徴的な皮膚症状(ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候)、合併する悪性腫瘍の種類、検査所見(CK、LDH上昇、筋電図所見、筋生検所見)、治療法(ステロイド、免疫抑制剤)など。