第7頸髄後根の障害で生じるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
第7頸髄神経根は、上腕三頭筋の主要な神経支配に関与しており、その腱反射の経路を構成しています。したがって、第7頸髄後根に障害が発生した場合、上腕三頭筋腱反射の低下は典型的な所見となります。神経根レベルと筋の神経支配、反射弓の関係を理解しているかが問われています。
選択肢ごとの解説
- 1. 下垂手は主に橈骨神経麻痺によって生じ、橈骨神経はC6-C8(Th1まで含む場合もある)の神経根に由来しますが、第7頸髄後根の障害だけでは直接的に生じる症状として適切ではありません。正しくは:下垂手は、橈骨神経麻痺(C6-C8由来)の代表的な症状であり、第7頸髄後根単独の障害によるものではありません。選びやすい理由:上肢の運動麻痺なので、頸髄損傷と関連があると誤解しやすいかもしれません。しかし、具体的な神経支配と症状を正確に結びつける必要があります。混同注意:特定の神経根損傷と、末梢神経損傷による広範な症状を混同することがあります。
- 2. Horner徴候は、眼瞼下垂、縮瞳、顔面発汗低下を特徴とし、主に頸部交感神経(上位胸髄レベル)の障害によって引き起こされます。第7頸髄後根の障害とは直接関連がありません。正しくは:Horner徴候は、頸部交感神経の障害(主にT1-T2レベルの損傷、あるいはその経路の障害)で出現します。選びやすい理由:頸部の神経障害という点で、選択肢として考慮してしまうかもしれませんが、自律神経系の障害であり、運動・感覚神経根の障害とは異なります。混同注意:上位頸髄や胸髄レベルの自律神経系の障害と、下位頸髄の運動・感覚神経根の障害を混同しやすいです。
- 3. 腕橈骨筋は主にC5-C6神経根に支配されており、第7頸髄後根の障害では、この筋の萎縮が主要な症状として現れる可能性は低いです。正しくは:腕橈骨筋はC5-C6神経根に支配されるため、C7後根障害では主要な萎縮部位ではありません。選びやすい理由:上肢の筋肉であり、神経根レベルの損傷によって筋萎縮が起こることは正しいですが、C7の支配筋ではないため誤りです。混同注意:特定の筋がどの神経根レベルに支配されているかの知識が不確かだと、この選択肢を選んでしまう可能性があります。
- 4. 正解。上腕三頭筋は主にC7-C8神経根に支配されており、その腱反射もC7神経根の機能評価に用いられます。したがって、第7頸髄後根に障害が生じた場合、上腕三頭筋腱反射の低下は典型的な症状として現れます。正しくは:(正答のため修正不要)選びやすい理由:(正答のため該当なし)混同注意:(正答のため該当なし)
- 5. 線維束性収縮は、下位運動ニューロン障害において、筋への神経支配が部分的に失われた状態(脱神経状態)でしばしば観察されますが、第7頸髄後根は感覚優位の神経根であり、運動神経の細胞体は前角に存在します。後根障害単独で、上腕二頭筋の線維束性収縮が主要な症状として現れることは稀です。上腕二頭筋は主にC5-C6支配です。正しくは:第7頸髄後根の障害では、線維束性収縮は主要な症状とはなりません。線維束性収縮は、前角細胞や末梢神経の障害で運動神経が脱神経した際に起こり、上腕二頭筋は主にC5-C6支配です。選びやすい理由:神経障害と筋の異常な動きを結びつけやすいですが、後根(感覚優位)障害と、前角細胞や運動神経の障害による線維束性収縮は異なります。混同注意:神経根障害一般と、前角細胞障害(筋萎縮性側索硬化症など)でみられる特徴的な線維束性収縮を混同しやすいです。
国試ポイント
国家試験では、特定の神経根(頸髄レベル)がどの筋の機能(特に反射)や感覚を支配しているか、また、その障害によってどのような症状が現れるかという知識が頻繁に問われます。各神経根のデルマトーム、ミオトーム、腱反射を正確に覚えていることが重要です。
混同注意
各頸髄神経根の支配筋や腱反射が混同されやすいです。例えば、C5/C6は上腕二頭筋腱反射、C7/C8は上腕三頭筋腱反射というように、正確な対応関係を覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、他の頸髄神経根(C5, C6, C8など)の障害による症状(筋力低下、反射の変化、感覚障害)や、胸髄・腰仙髄神経根の障害についても確認できるか。
関連知識
デルマトーム(皮膚分節支配)とミオトーム(筋分節支配)の知識。特に、主要な腱反射と関連する神経根レベル(例: 膝蓋腱反射L4、アキレス腱反射S1)。末梢神経損傷と神経根損傷による症状の違い。