30歳の男性。右前腕部の悪性腫瘍に対し前腕切断術が施行された。断端の長さは標準断端であった。創治癒後、義手を製作することになった。義手装着訓練において正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
義手訓練は、身体活動を促し、断端への刺激や義手からの感覚フィードバック、注意の転換といった多角的なアプローチによって、幻肢痛の軽減に有効であるとされています。早期からの積極的なリハビリテーションの一環として行われます。
選択肢ごとの解説
- 1. 屈曲手継手は、肘関節がない手関節離断や部分手義手で使用されるもので、前腕切断で肘関節が残っている場合は使用しません。正しくは:前腕切断では、肘関節が残っているため、肘継手や肘関節が不要な単純なソケット型義手を選択するのが一般的です。選びやすい理由:肘関節の機能が失われていると誤解しやすいため。混同注意:手関節離断と前腕切断の義手の違い。
- 2. 正解。義手訓練(特に早期からの装着・使用訓練)は、断端への刺激や義手からの感覚フィードバック、および注意の転換によって幻肢や幻肢痛の軽減に効果があるとされています。正しくは:義手訓練は幻肢痛の軽減に役立つ。選びやすい理由:幻肢痛のメカニズムは複雑であり、訓練だけで軽減できるか疑問に感じるかもしれないが、実際には有効な方法の一つである。混同注意:幻肢痛の治療法は薬物療法が主だと誤解している場合。
- 3. 義手の長さは、座位で前腕を自然に下ろした際に、健側の肘の高さに合わせるのが一般的です。中指の先端に合わせると長すぎることが多いです。正しくは:義手の長さは、座位で前腕を自然に下ろした際に、健側の肘の高さに合わせるなど、身体機能と見た目のバランスを考慮して決定します。選びやすい理由:見た目の対称性を重視しすぎると誤解しやすい。混同注意:義手の長さ決定基準と見た目の関係。
- 4. 弾性包帯は、断端の浮腫軽減と形状形成のために末梢から中枢へ、圧を漸減させながら巻くのが適切です。中心部(中枢)から末梢(指先)に巻くと、血液が末梢に鬱滞し、浮腫を悪化させる可能性があります。正しくは:術後の断端管理として、弾性包帯は断端の末梢部から中枢部へ向かって、均等な圧で漸減させながら巻きます。選びやすい理由:巻く方向の指示を逆に捉えてしまうことがあるため。混同注意:弾性包帯の巻き方と目的。
- 5. この基準は義手機能訓練における能力評価の項目であり、手先具の単体での最大開き幅の『判定基準』ではなく、『能動義手操作時の指開き幅』の判定基準が50%以上とされています。単体の機能評価ではありません。正しくは:装着した能動義手において、能動義手操作時の指開き幅が最大開き幅の50%以上であるかを評価します。選びやすい理由:具体的な数値が出てくるため、正しいように感じやすい。混同注意:手先具の物理的性能評価と、義手装着者の操作能力評価の混同。
国試ポイント
切断者の義肢装着訓練に関する知識が問われています。特に、義手訓練の目的、断端管理、義手の調整方法、および機能評価基準について正確に理解しているかが重要です。
混同注意
幻肢痛の治療法は多岐にわたるため、義手訓練がその一つとして有効である点を他の治療法と混同しやすいです。また、弾性包帯の巻き方や義手の長さ調整基準、手先具の評価基準など、具体的な数値や方向に関する知識は間違いやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合は、義手の種類ごとの適応、断端管理の具体的方法、および義手訓練における具体的な評価指標(例:FIM、ADL評価)と目標設定に関する知識を問う問題が考えられます。また、幻肢痛に対する非薬物療法の具体的な手法も重要です。
関連知識
幻肢、幻肢痛のメカニズムと治療(薬物療法、ミラーセラピー、VRなど)。義手の種類(装飾義手、能動義手、筋電義手)とその適応。断端の管理(浮腫軽減、皮膚ケア、形状形成)。義手のフィッティングと調整。ADLにおける義手使用訓練の目的と評価項目。