小児の四肢切断について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
小児はまだ身体図式が確立途上にあるため、後天的に切断した場合の幻肢出現頻度は成人よりも低いとされています。幻肢は身体の感覚やイメージが脳に形成される身体図式が関連しており、発達段階にある小児ではその確立度合いが異なるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 後天性四肢切断は男児に多いとされています。交通事故や外傷は一般的に男児に多く、その結果として切断に至るケースも男児に多い傾向があります。正しくは:後天的な四肢切断は、男児に多く見られます。選びやすい理由:性別による頻度の違いが曖昧な知識だと、どちらかが多いと聞くと選択肢に入りやすいかもしれません。混同注意:先天性四肢欠損と後天性四肢切断の疫学データを混同する可能性があります。
- 2. 小児の義手装着は、生後6ヶ月頃から開始するのが適切とされています。これは、座る動作の獲得時期に合わせて導入することで、両手動作の学習を促し、身体図式の形成を助けるためです。正しくは:義手の装着を始めるのに適した時期は、生後6ヶ月頃です。選びやすい理由:1歳頃は歩行開始など重要な発達段階であり、装具装着のイメージと結びつきやすいため、選択肢として魅力的かもしれません。混同注意:義足の導入時期や、より複雑な義手の操作を習得する時期と混同する可能性があります。
- 3. この記述は誤りです(公式正答の選択肢を参照)。正しくは:下肢の3分の1を切断した場合、成長と共に内反膝の変形が生じやすいです。選びやすい理由:下肢切断後の変形が生じやすいという点は正しい認識ですが、「外反膝」か「内反膝」かの具体的な方向性を誤って覚えている場合に選びやすいです。混同注意:下肢の変形の種類(外反膝、内反膝)や、切断部位と変形方向の関係を混同する可能性があります。
- 4. 悪性骨腫瘍の治療において、近年は手術技術の進歩(腫瘍摘出術の向上)や化学療法・放射線療法の発達により、患肢温存手術の成功率が向上しています。そのため、悪性骨腫瘍を理由とした切断の頻度は全体的に減少傾向にあります。正しくは:悪性骨腫瘍が原因で切断に至るケースの頻度は、近年減少しています。選びやすい理由:がん罹患率の全体的な増加と混同し、切断も増えていると誤解する可能性があります。混同注意:悪性腫瘍の発生率と、それによる切断率を混同する可能性があります。医療技術の進歩による患肢温存療法の普及を見落とすことも考えられます。
- 5. 正解。小児の後天性切断では、身体図式が完全に確立していない段階であるため、幻肢の出現頻度は成人よりも低いとされています。幻肢は身体図式と深く関連していると考えられています。
国試ポイント
この問題は、小児の四肢切断における疫学、義肢装着の適切な時期、合併症、切断の原因となる疾患の傾向、および幻肢現象について、多岐にわたる知識を問うものです。特に、小児特有の身体発達段階や医療状況の変化を理解しているかを確認しています。
混同注意
小児と成人の違い(身体図式の確立度合い、成長に伴う変化)、先天性と後天性の違い、義肢装着時期の適切な年齢、各種変形の方向性(内反・外反)などが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後、小児の四肢切断に関連する問題が出題される場合、義肢の種類と機能、それぞれの導入時期とその目的、または小児に特有の心理社会的側面や家族への支援に関する内容が問われる可能性が高いです。また、切断部位による義肢の選択基準や、成長を考慮した調整の必要性も重要になります。
関連知識
義肢学(小児義肢の適合)、整形外科学(骨軟部腫瘍、肢体不自由)、発達学(身体図式の形成)、リハビリテーション医学(幻肢痛・幻肢感覚への対応)。