ICFの概念モデル(生物心理社会モデル)に含まれる構成要素はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
ICFの概念モデルは「生物心理社会モデル」に基づいており、その主要な構成要素は『健康状態』『心身機能・身体構造』『活動』『参加』『環境因子』『個人因子』です。このうち、「環境因子」は文脈因子として明示的に含まれています。
選択肢ごとの解説
- 1. ICFの構成要素には含まれません。直接的な医療への依存状態を指す項目はありません。正しくは:ICFは「生活機能と障害」という視点から人々の健康状態を多角的に捉えますが、「医療依存」という特定の要素は存在しません。選びやすい理由:障害のある人が医療サービスを頻繁に利用するというイメージから、関連性が高いと感じるかもしれません。混同注意:「健康状態」や「活動」「参加」といった要素と混同する可能性がありますが、医療依存はそれらを直接的に表す言葉ではありません。
- 2. 正解。ICFの概念モデルである生物心理社会モデルは、健康状態を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3つの生活機能要素と、「環境因子」「個人因子」の2つの文脈因子で構成します。「環境因子」はこれらの主要な構成要素の一つです。
- 3. ICFの構成要素には「個人因子」という概念がありますが、これは性別、年齢、習慣、ライフスタイル、ストレス対処法、教育歴、社会的な背景など、個人を取り巻く広範な状況を指し、「性格」という限定的な意味ではありません。正しくは:「個人因子」は、性格だけでなく、性別、年齢、民族、適応の仕方、社会的背景、教育、職業、過去及び現在の経験パターン、全体的な行動様式、個別心理学的特性、生活様式など、個人に関する包括的な背景を指します。選びやすい理由:「個人因子」と聞いて、その一部である性格を連想しやすいですが、性格はその一要素に過ぎず、ICFの構成要素として性格因子という独立した項目はありません。混同注意:「個人因子」と混同しやすいですが、個人因子は性格よりもはるかに広い概念です。
- 4. 「能力低下」は、ICFにおいて「活動制限」や「参加制約」の一部として表現される概念であり、独立した主要な構成要素ではありません。ICFは障害を能力低下という一面的な視点ではなく、生活機能の様々な側面の困難として捉えます。正しくは:ICFでは「活動制限」や「参加制約」という用語で、ある活動を行う上での困難さや、社会への関与における困難さを表現します。「能力低下」という言葉は、その原因となる心身機能・身体構造の障害や、結果として生じる活動・参加の制限として解釈されることが多いです。選びやすい理由:障害を持つ人々の状態を表現する一般的な言葉として「能力低下」という表現が使われるため、ICFの構成要素として適切だと誤解しやすいです。混同注意:「心身機能・身体構造の障害」「活動制限」「参加制約」といったICFの主要な概念と混同する可能性があります。ICFはこれらの用語を用いて、より具体的に生活機能の困難を記述します。
- 5. 「社会的不利」という用語は、ICFが国際障害分類(ICIDH)から発展する過程で「ハンディキャップ」という概念に代わって導入された「参加制約」と関連が深いです。しかし、ICFの「生物心理社会モデル」における主要な構成要素は「参加」であり、「社会的不利」自体が独立した構成要素ではありません。社会的不利は、参加制約として表現される側面のひとつです。正しくは:ICFの構成要素は「心身機能・身体構造」「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」であり、「社会的不利」は「参加」の側面に影響を与える要素や結果として生じる状態と捉えられます。選びやすい理由:ICFが障害者の社会参加を重視するモデルであることから、社会的不利も重要な要素であると誤認しやすいです。ICIDHのハンディキャップの概念に近いですが、ICFでは「参加制約」として表現されます。混同注意:「参加」および「参加制約」という概念と混同しやすいです。社会的不利は、参加制約を生み出す環境や個人の要因、あるいはその結果として表れる状態を示唆する言葉です。
国試ポイント
ICFの基本構造と構成要素に関する理解が問われる。特に、ICIDHからICFへの変更点や、各構成要素が具体的に何を指すかを正確に把握しているかが重要となる。
混同注意
ICFの用語(例:心身機能、活動、参加、環境因子、個人因子、活動制限、参加制約)と、ICIDHの用語(障害、能力障害、社会的不利/ハンディキャップ)や、一般的な障害に関する用語との違い。
次に同じ論点が出たら
今後もICFの構成要素や、各要素の具体的な内容、ICIDHとの比較、生物心理社会モデルの適用例などが問われる可能性が高い。ICFの国際分類としての目的と意義も理解しておく必要がある。
関連知識
ICFの分類の枠組み(健康状態、心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子、個人因子)。ICIDHからICFへの変遷とその理由。生物心理社会モデルの概念。各構成要素の具体的な内容と例。