中学生の心理発達における特徴はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
中学生の時期は思春期に該当し、身体的な急激な変化(第二次性徴)が起こります。この身体的変化は、本人にとって心の準備ができていないことが多く、自己の身体像の変化に対する戸惑いや不安、羞恥心などを抱きやすいことが特徴です。これが心理的な発達における重要な側面となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 性の相違の理解は、幼児期後期から学童期にかけて発達する概念であり、中学生になる頃にはすでに確立しています。正しくは:性の相違の理解は、学童期までに発達がみられる。選びやすい理由:成長に伴い性差への関心が高まるため、一見正しく思えるかもしれませんが、理解そのものはもっと早い段階で形成されます。混同注意:『性への関心』と『性の相違の理解』が混同されることがあります。中学生は性への関心が高まりますが、性の相違の理解自体はそれ以前の段階で獲得されています。
- 2. 自我同一性(アイデンティティ)の確立は思春期の重要な課題ですが、中学生の段階ではまだ形成の途上にあり、試行錯誤を繰り返しながら発展していく過程です。完全に確立されるのは青年期以降とされています。正しくは:自我同一性は形成途上にあり、探索と確立の時期である。選びやすい理由:中学生は自分探しをする時期なので、アイデンティティに関連すると考えやすいですが、「完成する」という断定的な表現が誤りです。混同注意:自我同一性の『発達課題』と『完成』が混同されやすいです。思春期は自我同一性の確立が発達課題となりますが、その完成には時間が必要です。
- 3. 中学生は反抗期でもあり、自己主張が強まる時期です。教師や指導者に対し、批判的な視点を持つことや反発を示すことも多く、常に従順であるとは限りません。正しくは:教師や指導者に対して、批判的な視点を持つことや反発を示すことがある。選びやすい理由:子どもは大人に従うべき、という一般論から正解のように感じるかもしれませんが、思春期特有の反抗期を考慮すると不適切です。混同注意:『発達段階による変化』と『社会的な期待』が混同されることがあります。社会的な期待として従順であってほしいという思いはありますが、実際の発達段階では自己主張が強まる時期です。
- 4. 正解。中学生は思春期にあたり、身体的な急成長とともに、第二次性徴が顕著に現れる時期です。これらの身体の変化は、本人にとって予測しにくいものであり、しばしば戸惑いや不安、コンプレックスの原因となります。
- 5. 中学生は仲間集団を重視し、友人関係が心理的な支えとなる時期です。親からの精神的な自立を志向し、友人関係が親子関係よりも重要になる傾向があります。正しくは:親子関係よりも友人関係を重視する傾向がある。選びやすい理由:親子の絆は大切であるという認識から選びやすいですが、中学生の発達段階では友人関係の比重が大きくなります。混同注意:『親子の関係性』と『友人関係の優先度』が混同されます。もちろん親子関係がなくなるわけではありませんが、心理的な依存先や影響力は友人関係に移っていきます。
国試ポイント
中学生(思春期)の発達心理学的特徴を問う問題です。身体的発達とそれに伴う心理的反応、社会性の発達段階を正確に理解しているかが試されます。特に、青年期への移行段階における自己の変化や対人関係の重心の移動を問う設問が多いです。
混同注意
各選択肢が示す発達段階の時期(幼児期、学童期、思春期、青年期)が混同されやすい。特に、思春期と青年期の発達課題の違いを明確に理解しておく必要があります。また、「~が完成する」のような断定的な表現は、誤りの選択肢に誘導するために使われやすい傾向があります。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出た場合、各発達段階(幼児期、学童期、思春期、青年期、成人期、老年期)ごとの身体的・心理的・社会的な発達課題と、それに伴う具体的な行動や感情の変化を網羅的に確認する。特に、思春期と青年期のアイデンティティ形成の過程や、対人関係の変化(親子から仲間へ)に注目する。
関連知識
エリクソンの発達段階理論(特に『自我同一性の確立 vs 同一性拡散』)、ピアジェの認知発達理論(形式的操作期)、ハヴィガーストの発達課題(自己の身体的変化の受容、新しい人間関係の獲得など)。