心室中隔欠損症で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
心室中隔欠損症は、左心室と右心室を隔てる中隔に穴が開いている先天性心疾患です。通常、左心室の圧が右心室の圧よりも高いため、左心室から欠損孔を通って右心室へ血液が流れ込みます(左-右シャント)。この結果、右心室から肺動脈へ送り出される血液量が増加し、肺血流量が正常時よりも多くなります。これは肺鬱血や、長期的に肺高血圧症を引き起こす原因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 心室中隔欠損症は一般的に左-右シャントであり、酸素化された血液が体循環から肺循環へ流れるため、末梢への酸素供給が不足するチアノーゼは通常起こりません。シャント量が非常に大きい場合や、肺高血圧が進行して右-左シャントに逆転した場合(アイゼンメンジャー症候群)にはチアノーゼを呈しますが、これは合併症であり、疾患の直接的な特徴ではありません。正しくは:通常、チアノーゼは生じません。選びやすい理由:先天性心疾患の多くはチアノーゼを伴うと連想しやすいため。混同注意:チアノーゼ性心疾患(例:ファロー四徴症、大血管転位症)
- 2. 動脈管開存症は別の先天性心疾患であり、心室中隔欠損症とは直接の関係がありません。動脈管は胎児期に大動脈と肺動脈を繋ぐ血管で、出生後には通常自然に閉鎖します。正しくは:動脈管は通常、出生後に閉鎖します。選びやすい理由:他の先天性心疾患である動脈管開存症と混同しやすい。混同注意:動脈管開存症
- 3. 卵円孔開存は心房レベルのシャントであり、心室中隔欠損症とは異なる疾患です。卵円孔は胎児期に右心房と左心房を繋ぐ穴で、出生後には通常自然に閉鎖します。正しくは:卵円孔開存は心房中隔の異常であり、心室中隔欠損症とは異なります。選びやすい理由:卵円孔開存も先天性心疾患の一つであり、心室中隔欠損症と同じくシャント疾患であるため。混同注意:卵円孔開存(心房中隔の欠損)
- 4. 正解。心室中隔欠損症では、左心室から大動脈へ血液が駆出される途中で、欠損孔を通じて一部の血液が右心室へと流出します。右心室に流入した血液は肺動脈へと送られるため、結果的に肺循環へ向かう血液量が増加します。これが左-右シャントの特徴です。正しくは:正解です。選びやすい理由:この記述は病態生理の核心を突いています。混同注意:大動脈から肺動脈に直接血液が流れる、という選択肢5との混同。
- 5. 大動脈から肺動脈へ直接血液が流れるのは動脈管開存症の病態です。心室中隔欠損症では、左心室から欠損孔を介して右心室へ血液が流れ、そこから肺動脈へ送られます。直接の大動脈-肺動脈シャントではありません。正しくは:血液は左心室から欠損孔を介して右心室へ流れ、そこから肺動脈へ送られます。選びやすい理由:血液が『動脈』から『肺動脈』へ流れるという表現が、心室中隔欠損症のシャントを誤解させる可能性があるため。混同注意:動脈管開存症(PDA)
国試ポイント
先天性心疾患の基本的な病態生理(特にシャントの方向と結果)を理解しているかが問われています。各疾患の代表的な特徴と、シャントの方向によって生じる血行動態の変化を正確に区別できることが重要です。
混同注意
他の先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症、ファロー四徴症など)の病態生理や症状と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、心室中隔欠損症の合併症(例:肺高血圧症、心不全)や、シャント量の大きさによる症状の違い、または他の先天性心疾患(例:ファロー四徴症、大血管転位症)の病態生理と症状の比較を問う可能性があります。
関連知識
心室中隔欠損症の重症度分類、症状(心雑音、多呼吸、哺乳不良)、治療法(自然閉鎖、手術)、アイゼンメンジャー症候群への進行。また、心房中隔欠損症、動脈管開存症の病態生理と比較して理解することが重要です。