病気の解説
心室中隔欠損症
受診の目安
- 赤ちゃんの呼吸が速い、苦しそうにしている
- ミルクや母乳を飲むとすぐ疲れる、飲みながら汗をかく、飲む量が少ない
- 体重がなかなか増えない
- 乳幼児健診などで心雑音を指摘されたとき
赤ちゃんや子どもの相談先は小児科で、必要に応じて小児循環器の専門医に紹介されます。大人になってから見つかった場合や、子どものころに診断されて大人になった場合は循環器内科に相談します。これらの症状は心臓以外の病気でも起こり、症状だけで病名を判断することはできません。心臓の超音波検査で確かめます(東京都立小児総合医療センター)(MSDマニュアル家庭版)。
唇や皮膚が青紫色になる、ぐったりしてほとんど飲めないなどの様子があれば、すぐに医療機関を受診してください。
基本
心室中隔欠損症とは
心臓には血液を送り出す左右2つの部屋(心室)があり、その間は壁(心室中隔)で仕切られています。心室中隔欠損症は、この壁に生まれつき穴があいている病気です(CDC)(東京都立小児総合医療センター)。最もよくみられる先天性心疾患とされています(東京都立小児総合医療センター)。
穴があると、圧の高い左心室から右心室へ血液が流れ込み、肺へ流れる血液が増えます。その結果、心臓や肺に余計な負担がかかります(東京都立小児総合医療センター)(CDC)。
主な症状
症状は穴の大きさによって違います(CDC)。
- 穴が小さい場合:心雑音があるだけで、症状がないことがほとんどです(東京都立小児総合医療センター)(MSDマニュアル家庭版)。
- 穴が大きい場合:心臓から十分に血液を送り出せなくなり(心不全)、呼吸が速い・苦しい、哺乳の途中で疲れる・汗をかく、体重が増えにくいといった症状が出ます(東京都立小児総合医療センター)(CDC)。こうした症状は、生後4〜8週ごろに現れることが多いとされます(MSDマニュアル家庭版)。
原因・なりやすい要因
お母さんのおなかの中で心臓がつくられる途中に、心室の間の壁が完全にでき上がらないことで起こります(CDC)。多くの赤ちゃんでは、なぜそうなるのかはわかっていません。遺伝子や染色体の変化が関わる場合や、体質と妊娠中の環境の影響が重なる場合があると考えられています(CDC)。
検査と診断
診断
診察で特徴的な心雑音が聞こえることがきっかけになります(MSDマニュアル家庭版)(CDC)。胸部X線検査や心電図検査を行い、心臓の超音波検査(心エコー)で穴の場所や大きさ、血液の流れ方を確認して診断します。手術が必要かどうかを決めるために、心臓カテーテル検査を行うこともあります(東京都立小児総合医療センター)。
治療
治療
- 経過をみる:小さな穴で症状がなければ、治療をせずに定期的に様子をみます。小さな穴の多くは自然に閉じるとされ、穴の場所によって閉じやすさが違います(MSDマニュアル家庭版)(東京都立小児総合医療センター)。
- 薬:心不全の症状がある場合は、尿を出して余分な水分を減らす薬などで心臓の負担を軽くします(東京都立小児総合医療センター)(MSDマニュアル家庭版)。栄養を補うため、高カロリーのミルクを使うこともあります(CDC)。
- 手術・カテーテル治療:薬で症状が良くならない、穴が小さくならない場合は、穴をふさぐ手術が行われます。一部のタイプではカテーテルで穴をふさぐ方法もあります(MSDマニュアル家庭版)(CDC)。
- 弁に影響が出た場合:大動脈弁の近くに穴があるタイプでは、穴が閉じにくく、弁が変形して逆流が起こることがあり、その場合も手術が必要になります(東京都立小児総合医療センター)(MSDマニュアル家庭版)。
日常生活の注意・セルフケア
生活上の注意は穴の大きさや治療の内容によって違うため、主治医の指示を最優先にしてください。
- 手術の後も含めて、指示された定期受診を続けます(CDC)。
- 歯の治療などの前に、心臓の感染症を防ぐための抗菌薬を使うよう指示されることがあります。歯科を受診するときは、この病気があることを伝えてください(MSDマニュアル家庭版)。
経過と生活
経過
自然に、または手術によって穴が閉じた子どもの多くは、健康に生活できるとされています(CDC)。一方、大きな穴を治療せずにおくと、肺の血管の圧が高くなる状態(肺高血圧)や心不全、不整脈などにつながることがあるため、きちんと経過をみることが大切です(CDC)(MSDマニュアル家庭版)。
循環器内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
東京都立小児総合医療センター「心室中隔欠損」 / CDC「About Ventricular Septal Defect」 / MSDマニュアル家庭版「心房中隔欠損症と心室中隔欠損症」
内容の確認日:2026-10-13(次回確認予定 2027-04-13)。複数の公的情報源の事実をもとに medimichi が独自にまとめています。
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。