筋強直性ジストロフィーで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
筋強直性ジストロフィーは、筋強直(ミオトニア)を主要な症状とする遺伝性疾患です。ミオトニアとは、筋肉が一度収縮すると弛緩するまでに時間がかかる現象を指し、この症状は診断において非常に重要です。顔面筋の萎縮、早期白内障、心伝導障害、内分泌異常、そして認知機能障害など、全身性の症状を伴う多臓器疾患であることが特徴です。遺伝形式は常染色体優性遺伝で、通常CTK-1遺伝子のトリヌクレオチドリピート(CTGリピート)の異常伸長が原因です。
選択肢ごとの解説
- 1. 筋強直性ジストロフィーの発症時期は多様ですが、乳幼児期に限定されるわけではなく、成人期以降に発症する例も多く見られます。特に成人型の多くは20~40歳代に発症します。正しくは:発症時期は乳幼児期から成人期まで幅広く、成人期に発症するタイプも少なくありません。選びやすい理由:先天性や小児期発症の疾患も多いため、年齢に関する記述は注意が必要です。混同注意:他の小児期発症の遺伝性疾患と混同しやすいです。
- 2. 筋強直性ジストロフィーの主な遺伝形式は常染色体優性遺伝であり、伴性劣性遺伝ではありません。正しくは:遺伝形式は常染色体優性遺伝です。選びやすい理由:遺伝性疾患であるため、遺伝形式に関する知識は問われやすく、伴性劣性遺伝という言葉自体は一般的な遺伝形式の一つです。混同注意:デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど、他の伴性劣性遺伝形式の筋ジストロフィーと混同しやすいです。
- 3. 筋強直性ジストロフィーでは、特徴的に顔面筋の萎縮や筋力低下(斧様顔貌など)がみられ、罹患しやすい部位の一つです。正しくは:顔面筋は罹患しやすい特徴があります。選びやすい理由:一般的に知られている筋ジストロフィーの一部では、顔面筋が比較的保たれるものもあるため、混乱しやすいです。混同注意:他の筋疾患や顔面筋が比較的保たれるタイプの筋ジストロフィーと混同しやすいです。
- 4. 正解。筋強直性ジストロフィーは、随意筋の収縮後に弛緩が遅れる「ミオトニア(筋強直現象)」を特徴的な症状としています。これは本疾患の診断基準の一つでもあります。正しくは:(正しいため修正不要)選びやすい理由:(正しい記述のため該当せず)混同注意:(正しい記述のため該当せず)
- 5. 筋強直性ジストロフィーの患者では、しばしば認知機能障害や人格変化、行動異常などの精神神経症状を合併することが知られています。特に先天性型では知的能力障害が高頻度に見られます。正しくは:認知機能障害や精神神経症状を伴うことがあります。選びやすい理由:身体的な症状が前面に出る疾患であるため、認知機能への影響は軽視されがちです。混同注意:神経変性疾患の一部では認知機能障害が見られないケースもあるため、一概に身体疾患=認知機能正常と誤解しやすいです。
国試ポイント
筋強直性ジストロフィーの主要な臨床症状、特に疾患名にも含まれる「ミオトニア」の理解が問われています。また、遺伝形式や全身性疾患としての特徴(顔面筋、認知機能)についても基本的な知識が求められます。
混同注意
他の筋ジストロフィー(例:デュシェンヌ型、福山型など)の遺伝形式や症状と混同しやすいです。特にミオトニア症状は本疾患に特徴的であるため、この点をしっかり区別する必要があります。
次に同じ論点が出たら
筋強直性ジストロフィーに関する問題が出た場合、まず『ミオトニアの有無』に注目し、次に『遺伝形式』や『特徴的な合併症(全身症状)』について問われていないかを確認する。
関連知識
筋強直性ジストロフィーのタイプ1とタイプ2の違い、トリヌクレオチドリピート病(CTGリピートの伸長)、アンティシペーション(表現促進現象)、関連する合併症(白内障、心疾患、内分泌障害など)、それぞれの症状に対するリハビリテーションアプローチ。