尿の生成について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第52回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
腎小体は糸球体とボーマン嚢から構成され、血液から原尿を濾過する腎臓の主要な機能単位です。これは尿生成の最初の段階であり、選択肢3が正確にその機能を説明しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 集合管の主な機能は、抗利尿ホルモン(ADH)やアルドステロンの作用により、水の再吸収を調節し、尿の濃縮を行うことです。尿の希釈(薄めること)はヘンレループ上行脚で行われます。正しくは:集合管では尿の濃縮を行う。選びやすい理由:尿細管の各部位で様々な物質の再吸収や分泌が行われるため、機能が混同しやすい。集合管での水再吸収が想起されにくいと、希釈と濃縮が逆だと気づかない可能性がある。混同注意:集合管での尿濃縮機能と、ヘンレループ上行脚での尿希釈機能。
- 2. 糸球体濾過膜は、分子量や電荷によって物質を選択的に濾過します。血漿蛋白のような高分子物質は通常、糸球体を透過せず、ボーマン嚢にはほとんど濾過されません。これは腎臓の重要な機能の一つで、体に必要なタンパク質の喪失を防ぎます。正しくは:血漿蛋白は通常、糸球体を透過しない。選びやすい理由:血液中の成分が濾過されるという大まかな理解から、タンパク質も濾過されると誤解しやすい。しかし、腎臓の濾過機能が選択的であることを見落としがち。混同注意:低分子物質(水、電解質、グルコースなど)の濾過と、高分子物質(血漿蛋白)の非濾過。
- 3. 正解。腎小体(マルピーギ小体)は、糸球体とそれを包むボーマン嚢から構成されており、腎臓における尿生成の最初のステップである血液の濾過(糸球体濾過)が行われる主要な場所です。
- 4. 近位尿細管では、水の約65%やグルコース、アミノ酸、電解質などが再吸収されます。アンモニアは体内で生成される代謝産物であり、主に水素イオンと結合してアンモニウムイオンとして尿中に分泌され、排泄されます。再吸収されるのではなく、むしろ排泄促進のために分泌される物質です。正しくは:近位尿細管ではアンモニアは分泌されるか、尿中に排泄される。選びやすい理由:尿細管で多様な物質の再吸収と分泌が行われるため、アンモニアも再吸収されると混同しやすい。特に、アンモニアがpH調整に関わるため、その機序を誤解すると間違えやすい。混同注意:アンモニアの分泌・排泄と、他の物質の再吸収。また、アンモニアとアンモニウムイオンの違い。
- 5. 抗利尿ホルモン(ADH)は、腎臓の集合管や遠位尿細管における水チャネル(アクアポリン)の発現を増加させ、水の再吸収を促進する働きがあります。これにより、体内の水分を保持し、尿量を減らし、尿を濃縮します。水の再吸収量を『減少させる』は逆の作用です。正しくは:抗利尿ホルモンは水の再吸収量を増加させる。選びやすい理由:ホルモンの名前(抗利尿)から、尿量を減らすイメージは持てるが、その作用機序(水の再吸収増加)を正確に理解していないと間違えやすい。「利尿に抗する」という意味合いを深読みしすぎると、かえって誤解を生む可能性がある。混同注意:抗利尿ホルモンの作用と利尿薬の作用。また、アルドステロンや心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)など他のホルモンと作用を混同する。
国試ポイント
尿の生成過程における各部位(腎小体、尿細管、集合管)の基本的な機能と、関連するホルモンの作用を正確に理解しているかを問う問題です。特に、濾過、再吸収、分泌の場所と対象物質、およびホルモンによる調節機構がポイントとなります。
混同注意
腎臓の各部位の機能(濾過、再吸収、分泌)と、それぞれの場所で処理される物質の種類や量、そして関係するホルモン(ADH、アルドステロンなど)の作用機序が混同されやすい。特に、『希釈』と『濃縮』、『再吸収』と『分泌』といった対義語の区別が重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同じ論点が出た場合、各尿細管部位での主な物質(グルコース、アミノ酸、Na+、K+、Cl-、H2O、H+、アンモニアなど)の再吸収・分泌の有無と割合、および関与するホルモンの具体的な作用機序に注目すると良いでしょう。また、病態(例:糖尿病、腎不全、SIADH)との関連で問われる可能性もあります。
関連知識
腎臓の構造(ネフロンの構成)、糸球体濾過の機序、尿細管における各物質の輸送(再吸収・分泌)、ホルモンによる尿量・尿質の調節(ADH、アルドステロン、ANP)。腎不全時の症状や治療にも関連する基本的な知識。