頭部MRI(別冊No. 1)を別に示す。正しいのはどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
下図の頭部MRI画像は脳の水平断を示している。画像中央の左右対称に位置する大きな灰白質構造は視床である。また、側脳室前角に隣接して湾曲した灰白質は尾状核の頭部である。したがって、2(尾状核)と4(視床)が正しい。
選択肢ごとの解説
- 1. 示された画像は水平断であり、第四脳室は通常、このスライスレベルでは明確に識別されにくい、あるいは表示されないことが多い。第四脳室は脳幹の背側に位置する。正しくは:第四脳室は小脳と脳幹の間にある構造であり、この水平断画像では通常前方、もしくは下方スライスで確認される。選びやすい理由:脳室の一部であるため、見慣れない脳室構造と混同する可能性がある。混同注意:側脳室や第三脳室などの他の脳室構造。
- 2. 正解。提示されたMRI水平断画像において、側脳室側壁に沿って存在する灰白質の隆起として尾状核の頭部または体部が視認できるため、これは正しい選択肢である。尾状核は基底核の一部である。混同注意:被殻や淡蒼球などの他の基底核。
- 3. 脳梁は左右の大脳半球を結ぶ線維束であり、通常、正中矢状断で最も明瞭に観察される。水平断では、体部の一部が確認されることはあるが、この画像で明確に脳梁として示すのは難しい場合がある。特に、このスライスレベルでは他の深部構造が主体となっているため、脳梁を指しているとは言えない。正しくは:脳梁は正中矢状断画像で大脳半球間の上方に確認できる。水平断では、側脳室前角の上方に一部が見えることがある。選びやすい理由:脳の深部に位置する主要な構造であるため、無意識に選択しやすい。混同注意:内包や外包などの他の白質構造。
- 4. 正解。提示されたMRI水平断画像において、第三脳室を挟んで両側に位置する大きな卵円形の灰白質構造として視床が明瞭に視認できるため、これは正しい選択肢である。視床は間脳の一部であり、感覚情報の中継点である。混同注意:視床下核や内包などの周辺構造。
- 5. 被殻は基底核の一部で、尾状核の外側、淡蒼球の外側に位置するが、この画像で特定された部位が被殻を直接指しているとは断定できない。選択肢2の尾状核や選択肢4の視床に比べ、特定しにくい。正しくは:被殻は淡蒼球の外側に位置し、外包と最外包に挟まれた部位にある。この水平断画像では、視床の外側で、尾状核頭部のやや外下方に見える。選びやすい理由:尾状核と並んで基底核の主要な構成要素であるため、間違えやすい。混同注意:尾状核、淡蒼球などの他の基底核。
国試ポイント
画像問題として、頭部MRIの水平断における主要な脳構造(特に基底核や間脳の構造)の解剖学的知識と、それを画像から正確に識別する能力が問われている。脳室系との位置関係も重要。
混同注意
基底核を構成する各部位(尾状核、被殻、淡蒼球)は、画像上での位置関係が近接しており混同しやすい。また、脳室や脳梁など、他の主要な脳構造との識別もポイントとなる。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、矢状断や冠状断など、異なる断面の画像識別や、病変(脳梗塞、腫瘍など)の有無と位置特定、それに伴う機能障害の予測などが問われる可能性がある。特定の脳構造の名称だけでなく、その機能や疾患との関連までを深く理解しておく必要がある。
関連知識
脳の主要な各部位(大脳、小脳、脳幹、間脳)の機能と解剖学的特徴。特に基底核や間脳の各構造(視床、視床下部、淡蒼球、被殻、尾状核など)の解剖学的位置関係。MRIの各撮像法(T1強調、T2強調など)による組織信号の違い。