円背のある高齢者で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
円背のある高齢者では、体幹が前傾し重心が前方に移動します。この姿勢の不安定性を代償し、転倒を予防するために、膝を軽く曲げることで重心を後方へ戻し、安定性を高めようとします。したがって、立位時に膝が屈曲位となるのは円背の高齢者によく見られる特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. 円背は姿勢変化により重心が前方に移動し、バランスを保つために歩隔を広げて安定性を確保しようとすることが多いです。狭まることは一般的ではありません。正しくは:歩行時に足と足の間隔(歩隔)が広がる傾向にある。選びやすい理由:高齢者の歩行は全体的に不安定になるため、歩隔が変化するというイメージから誤って選択されがちです。混同注意:歩隔が狭まるのは、パーキンソン病などで見られるすくみ足や小刻み歩行の際の特徴と混同しやすいです。
- 2. 正解。円背により体幹が前傾すると、重心が前方に移動します。このバランスの崩れを代償し、転倒を防ぐために、膝を屈曲させて重心を後方へ引き戻し、安定性を高めようとします。正しくは:正解のため修正不要。
- 3. 円背は胸郭の可動性を制限し、肺の拡張を妨げるため、拘束性換気障害の原因となります。閉塞性換気障害は気道の狭窄や閉塞が原因で起こります。正しくは:円背は拘束性換気障害を引き起こす原因となる。選びやすい理由:円背が呼吸機能に影響を与えることは事実であるため、換気障害の一種である閉塞性と誤認しやすいです。混同注意:閉塞性換気障害(COPDなど)と拘束性換気障害(間質性肺炎、胸郭変形など)の違いを混同しやすいです。
- 4. 高齢者の円背は骨粗鬆症による椎体圧迫骨折などが原因となることが多く、ギプスによる矯正は一般的ではありません。治療は装具療法、運動療法、薬物療法などが中心となります。正しくは:円背の治療として、装具療法や運動療法、薬物療法などを行う。選びやすい理由:小児の側弯症などではギプス矯正が行われる場合があるため、その知識と混同してしまいがちです。混同注意:小児の脊柱変形に対する治療法と、高齢者の円背に対する治療法を混同しやすいです。
- 5. 円背では重心が前方に移動しやすく、前後方向への姿勢制御が困難になります。そのため、前後のバランスが特に不安定になりやすいです。左右方向は比較的保たれることが多いですが、全体的なバランス能力は低下します。正しくは:立位バランスは、前後方向が不安定になりやすい。選びやすい理由:「良い」という肯定的な表現に惑わされやすいですが、円背がバランスに与える影響を理解していれば誤りと判断できます。混同注意:バランス能力のどの側面がより障害されるかについての理解が不十分だと、誤った選択をしてしまいます。
国試ポイント
高齢者の円背による身体機能の変化や合併症、および一般的な治療法について、正確な知識が問われています。特に、姿勢変化が他の身体部位(膝、歩隔など)や生理機能(呼吸)に与える影響、そして適切な治療介入の選択肢が重要です。
混同注意
拘束性換気障害と閉塞性換気障害の違い、小児の脊柱変形治療と高齢者の円背治療の違い、バランスの前後方向と左右方向の安定性の違い。
次に同じ論点が出たら
今後、円背のある高齢者の運動指導や生活指導で注意すべき点、または円背が原因で生じるその他の合併症(例:嚥下障害、消化器症状)について問われる可能性があります。
関連知識
骨粗鬆症、サルコペニア、転倒予防、呼吸器疾患、姿勢制御メカニズム、老年症候群。