呼吸商で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
呼吸商は、ある時間内に排出された二酸化炭素量と消費された酸素量の比率(VCO2/VO2)で定義されます。主要な栄養素の呼吸商は、糖質が約1.0、蛋白質が約0.8、脂質が約0.7であり、蛋白質の呼吸商は脂質よりも高い値を示します。これは、各栄養素の化学構造と酸化に必要な酸素量、生成される二酸化炭素量が異なるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 呼吸商は主にエネルギー代謝における栄養素の燃焼割合を示す指標であり、換気障害の直接的な指標ではありません。換気障害は、スパイロメトリーなど呼吸機能検査で評価されます。正しくは:呼吸商は、エネルギー源として何が燃焼されているかを示す代謝指標である。選びやすい理由:呼吸という言葉から呼吸器系の障害と結びつけやすいですが、呼吸商は生化学的なエネルギー代謝の指標です。混同注意:呼吸商と、呼吸機能検査(肺活量、1秒率など)の指標。
- 2. 長時間の運動では、エネルギー源として糖質だけでなく脂質の利用割合が増加します。脂質の呼吸商は糖質より小さいため、全体としての呼吸商は低下する傾向にあります。正しくは:長時間の運動を継続すると、脂質の利用が増えるため、呼吸商は低下する。選びやすい理由:運動により代謝が活発になるため、全体的に上がると思われがちです。混同注意:運動強度とエネルギー代謝の変化。
- 3. 正解。蛋白質の呼吸商は約0.8であり、脂質の呼吸商(約0.7)よりも高い値を示します。これは、各栄養素が体内で完全に燃焼される際に消費される酸素量と排出される二酸化炭素量の比率が異なるためです。
- 4. 糖質の呼吸商は1.0と最も高く、脂質の呼吸商(約0.7)や蛋白質の呼吸商(約0.8)よりも高いため、糖質の燃焼割合が増えれば呼吸商は上昇します。正しくは:体内で糖質が多く利用されるようになると、その値は上昇する。選びやすい理由:糖質は速やかにエネルギーになるため、代謝が活発になると誤解しやすいかもしれません。混同注意:各栄養素の呼吸商の具体的な数値(糖質1.0、脂質0.7、蛋白質0.8)。
- 5. 呼吸商は、排出された二酸化炭素量(VCO2)を消費された酸素量(VO2)で割った値(VCO2/VO2)です。引き算ではありません。正しくは:呼吸商は、排出された二酸化炭素量を消費された酸素量で割った値である。選びやすい理由:呼吸に関連するガス交換なので、足し算や引き算と混同しやすいですが、比率を示すものです。混同注意:呼吸商の定義式。
国試ポイント
呼吸商の定義、および主要栄養素ごとの呼吸商の相対的な大小関係について正確な知識が問われています。特に、各栄養素がエネルギー源として利用された場合の呼吸商の数値とその意味を理解しているかが重要です。
混同注意
呼吸商は呼吸『機能』の指標ではなく、エネルギー代謝における栄養素の燃焼比率を示す指標であること。また、各栄養素の具体的な呼吸商の値と、それが運動時などにどのように変化するかを混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
今後も呼吸商の定義、各栄養素の呼吸商、身体活動レベルによる変動に関する問題が出題される可能性が高い。特に、長時間の運動や飢餓時におけるエネルギー基質の変化と呼吸商の関係が狙われやすいポイントです。
関連知識
呼吸商の計算式、主要栄養素(糖質、脂質、蛋白質)の各呼吸商の数値(例:糖質1.0、脂質0.7、蛋白質0.8)、運動強度や食事内容が呼吸商に与える影響、RER(呼吸交換比)との違い(呼吸商は細胞レベル、RERは肺レベル)。