運動学習における結果の知識〈KR〉が与えられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
運動学習における結果の知識(KR: Knowledge of Results)とは、運動の遂行によって得られた結果(目標達成度など)に関する情報を提供するフィードバックです。選択肢2は、投げたボールがストライクかどうかという、目標達成(ストライクゾーンに入れること)に関する直接的な結果を伝えているため、KRに該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. これは動作の『遂行に関する知識(KP)』に該当します。フォームや動き方といった、運動そのものの質に関する情報です。正しくは:「シュートが決まったかどうか」など、動作の結果に関する情報であればKRになります。選びやすい理由:学習者へのフィードバックである点では共通していますが、内容が結果ではなく動作の形であるため誤りです。混同注意:結果の知識(KR)と遂行に関する知識(KP)
- 2. 正解。投球の結果(ストライクか否か)について情報を提供しているため、これは『結果の知識(KR)』に該当します。目標達成度を直接示すフィードバックです。
- 3. これは運動学習そのものに関するフィードバックではなく、活動のルールや評価方法に関する情報です。運動の結果を示すものではありません。正しくは:「今回の投球で何点獲得したか」など、具体的な投球の結果に関する情報であればKRになります。選びやすい理由:スコアという言葉が含まれるため結果と混同しやすいですが、スコアの『計算方法』であり、実際の運動の結果ではないため誤りです。混同注意:結果の知識(KR)とルールの知識
- 4. これも運動学習の直接的なフィードバックではなく、スポーツのルールや競技形式に関する一般的な情報です。特定の動作の結果を示すものではありません。正しくは:「今打ったスパイクが相手コートに入ったかどうか」など、特定のプレーの結果に関する情報であればKRになります。選びやすい理由:運動活動に関する情報である点は共通していますが、ルールは結果の知識ではありません。混同注意:結果の知識(KR)とルールの知識
- 5. これは動作の『遂行に関する知識(KP)』に該当します。泳ぎ方や身体の使い方といった、運動そのものの質に関する情報です。正しくは:「泳ぎ終わるまでに何秒かかったか」など、動作の結果に関する情報であればKRになります。選びやすい理由:学習者へのフィードバックである点では共通していますが、内容が結果ではなく動作の形であるため誤りです。混同注意:結果の知識(KR)と遂行に関する知識(KP)
国試ポイント
運動学習におけるフィードバックの種類(結果の知識KRと遂行に関する知識KP)の定義と具体例を正確に理解しているかが問われています。特に、与えられた情報が『運動の結果』を指すのか、『運動の遂行方法やフォーム』を指すのかを区別できるかが重要です。
混同注意
結果の知識(KR)と遂行に関する知識(KP)は混同しやすく、それぞれの定義と具体例を明確に区別して覚える必要があります。KPは運動の『質』、KRは運動の『成果』と考えると良いでしょう。また、ルールや一般的な説明とKR・KPを混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に類似問題が出題された場合は、まず「提供されている情報が『運動の成果や目標達成度』に関するものか、それとも『運動のフォームや具体的な動作』に関するものか」という視点で選択肢を分類し、KRかKPかを判断する。また、そもそも運動学習のフィードバックに該当しない(ルール説明など)選択肢を除外する。
関連知識
運動学習のフィードバックには、外在的フィードバック(KR、KP)と内在的フィードバックがあります。外在的フィードバックは、課題遂行中に治療者などが提供する情報です。KRは目標達成の成否、KPは運動フォームや運動の質に関する情報です。学習段階(初期・中期・後期)によって、効果的なフィードバックの種類や頻度は異なります。例えば、初期段階ではKRが、中期以降はKPがより重要になることがあります。フィードバックの頻度(毎日、数回に一度など)や提示方法(口頭、視覚、触覚など)も学習効果に影響を与えます。