ICFで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
ICFとICD-10は、どちらもWHOが作成した分類であり、健康状態に関する異なる情報を提供し合うことで、互いに補完的な関係にあります。ICFは健康状態の構成要素と、それが個人の生活機能にどう影響するかを記述するフレームワークである一方、ICD-10は疾病や外傷などの病態を分類し、コード化する目的を持っています。両者を併用することで、個人の健康状態をより多角的に理解することが可能となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。ICFは健康状態のプラス面とマイナス面、ICD-10は疾病の分類とコード化を目的としており、それぞれ異なる視点から健康に関する情報を提供することで、互いに補完し合う関係にあります。これにより、医療や福祉の包括的な理解とアプローチが可能になります。
- 2. ICFは健康のあらゆる側面を包括的に捉えるフレームワークであり、疾病や外傷だけでなく、社会経済的要因、個人因子、環境因子など、多岐にわたる要因が健康状態にどう影響するかを考慮します。特定の要因のみを対象とするものではありません。正しくは:ICFは、健康のあらゆる側面を対象とし、社会経済的要因を含む多様な要素が健康状態に与える影響を考慮します。選びやすい理由:ICFが「社会モデル」の側面も持つことから、社会経済的要因の重要性を強調していると誤解する可能性があります。混同注意:ICFの「環境因子」や「参加」の概念が、社会経済的要因を指すものと混同しやすいです。これらはICFの要素の一部であり、ICF全体がこれらのみを対象とするわけではありません。
- 3. ICFは2001年に世界保健機関(WHO)の総会で採択され、承認されています。2015年ではありません。正しくは:ICFは2001年に世界保健機関(WHO)によって正式に承認されました。選びやすい理由:具体的な年号を問われる問題で、似たような時期の他の国際的な出来事と混同しやすいためです。混同注意:ICFの原型であるICIDH(国際障害分類)が1980年に、ICFが2001年に採択されたという正確な歴史的経緯と混同しやすいです。
- 4. ICFの「生活機能」とは、心身機能・身体構造、活動、参加を指します。個人因子と環境因子は、これらの生活機能に影響を与える「背景因子」として分類されます。したがって、「生活機能」自体に個人因子と環境因子が含まれるわけではありません。正しくは:「生活機能」に影響を与える背景因子として、個人因子と環境因子が分類されます。選びやすい理由:ICFの枠組み全体が生活機能、個人因子、環境因子から成り立っているため、これらすべてが「生活機能」の構成要素であると誤解しやすいです。混同注意:「生活機能」を広義に捉えすぎて、それに影響を与える要因(個人因子、環境因子)も「生活機能」の一部であると混同しやすいです。ICFの構成要素の厳密な定義を理解している必要があります。
- 5. ICFは、健康のマイナス面(機能障害、活動制限、参加制約)だけでなく、プラス面(心身機能、活動、参加)も表現できる「多軸分類」のフレームワークです。例えば、活動の達成度や参加の状況を肯定的に捉えることが可能です。これはICFの重要な特徴の一つです。正しくは:生活機能の肯定的な側面も表現できます。選びやすい理由:ICFの前身であるICIDHが「障害分類」という名前であり、病気や障害といったマイナス面に焦点が当てられていたという古い知識に引きずられやすいです。ICFは「生活機能分類」であり、その点を克服しています。混同注意:ICFが障害の概念を含むため、否定的な側面のみを強調すると誤解しやすいですが、機能や参加のレベルを評価することで、その人の持つ能力や肯定的な側面も表現できます。
国試ポイント
ICFの基本的な枠組み、構成要素、そしてその目的と特徴を正確に理解しているかが問われる問題です。特に、他の関連する分類(ICD-10)との関係性、採択年、肯定的な側面も捉えられるという本質的な特徴、そして各構成要素(生活機能、背景因子)の定義が重要となります。
混同注意
ICFとICD-10の役割の違い、ICFの採択年、生活機能の定義、個人因子・環境因子が生活機能の一部か背景因子かという点。特に、ICFが「障害分類」から「生活機能分類」へと名称変更された背景にある、肯定的側面を捉えるという意図を見落としやすい。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、ICFの各構成要素の具体的な内容(例:活動と参加の違い)、コード化の具体的な方法、ICFと他のリハビリテーション関連の評価ツールとの関連性について問われる可能性があります。また、ICFを臨床でどう活用するかといった応用的な理解も重要になります。
関連知識
ICFの構成要素(心身機能・身体構造、活動、参加、背景因子としての個人因子・環境因子)、各要素の具体的な内容、ICFの採択経緯(ICIDHからの変更点)、WHOが作成したその他の分類体系。