Danielsらの徒手筋力テストの段階5及び4の検査で正しいのはどれか。ただし、矢印は検査者が抵抗をかける方向を示す。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Danielsらの徒手筋力テスト(MMT)において、段階5と段階4の評価は、重力に抗した状態での運動に加え、抵抗を加えることで筋力を評価します。選択肢2の肩甲骨内転と下方回旋のテストは、伏臥位で腕を体側につけ、肩甲骨を内転・下方回旋させる運動に対し、検査者が肩甲骨に抵抗を加えることで、菱形筋や広背筋などの筋力を評価するもので、段階4、5の評価に適しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 肩屈曲の検査であり、患者は座位で腕を屈曲位に保ち、検査者は上腕遠位端に伸展方向の抵抗を加えていますが、抵抗の方向が適切でありません。肩屈曲の抵抗は、屈曲した腕を上から押し下げる方向に行われるべきです。正しくは:座位で肩屈曲位とし、抵抗は上腕遠位部に屈曲方向とは逆(伸展方向)に上から加える。選びやすい理由:肩屈曲のMMTであることはわかるが、抵抗を加えるべき方向が正しく理解されていない場合、正しい肢位のように見えるため選択しやすい。混同注意:他の筋のMMTにおける抵抗の方向や、重力除去位での肩屈曲テスト。
- 2. 正解。肩甲骨内転と下方回旋の検査であり、患者は伏臥位で検査者は肩甲骨内側縁に抵抗を加えており、段階5および段階4の評価を行う上で適切な肢位と抵抗の方向です。菱形筋、広背筋などの筋力を評価できます。選びやすい理由:正しい肢位と抵抗の方向が描かれているため。混同注意:肩甲骨の他の運動(挙上、外転など)のMMT。
- 3. 肘屈曲(腕橈骨筋)の検査ですが、検査者が手首を回内位に固定し、抵抗を肘関節伸展方向に加えています。しかし、腕橈骨筋のテストでは、前腕を中間位(回内・回外の中間)に保ち、抵抗を加えるべきです。示されている肢位は上腕二頭筋の肘屈曲テストに近いですが、抵抗方向が不適切です。正しくは:座位で前腕を中間位に保ち肘関節を屈曲させ、抵抗は手関節付近に伸展方向に加える。選びやすい理由:肘屈曲のMMTであることはわかるが、腕橈骨筋に特化したテスト肢位(前腕中間位)の知識が不足していると選択しやすい。混同注意:上腕二頭筋や上腕筋の肘屈曲テスト。
- 4. 膝伸展の検査であり、患者は座位で検査者は下腿遠位部に抵抗を加えていますが、抵抗を加える方向が適切でありません。膝伸展の抵抗は、伸展した膝を屈曲させる方向に加えるべきであり、図では下方に引くような抵抗となっているため不適切です。正しくは:座位で膝を伸展させ、抵抗は下腿遠位部に屈曲方向に加える。選びやすい理由:膝伸展のMMTであることはわかるが、抵抗を加えるべき方向が正しく理解されていない場合、正しい肢位のように見えるため選択しやすい。混同注意:膝屈曲のMMTにおける抵抗の方向。
- 5. 足底屈の検査であり、患者は腹臥位または立位(かかと上げ)で行うのが一般的です。図では仰臥位で足関節を操作していますが、この肢位では重力に抗した十分な抵抗を加えにくく、特に段階4、5の評価には不適切です。正しくは:腹臥位で足関節を底屈させ、抵抗は足底に背屈方向に加える。または立位でかかと上げ運動を行う。選びやすい理由:足底屈のMMTであることはわかるが、重力の影響を考慮した適切な肢位の知識が不足していると選択しやすい。混同注意:足関節の他の運動(背屈、内反、外反)のMMTや、重力除去位での足底屈テスト。
国試ポイント
徒手筋力テスト(MMT)の各筋に対する肢位、抵抗の方向、および重力の影響を理解しているか。
混同注意
MMTの段階評価(重力の影響、抵抗の有無)と、各筋のテスト方法(肢位、抵抗の方向)を混同しやすい。特に、段階2以下の重力除去位での評価と、段階3以上の重力抗重力位での評価を明確に区別する必要がある。
次に同じ論点が出たら
徒手筋力テストの問題が出た場合、まず評価したい筋の作用と、その作用に抗する抵抗が正しく加えられているか、また重力の影響を考慮した肢位になっているかを確認する。
関連知識
徒手筋力テスト(MMT)は、DanielsとWorthinghamが提唱したものが一般的で、筋力を0から5の6段階で評価する。段階3以上は重力に抗して運動が行えるかを基準とし、段階4と5はさらに抵抗を加えることで評価する。段階2は重力除去位での運動、段階1は筋収縮の触知、段階0は筋収縮なし。