de Quervain〈ドケルバン〉病で腱鞘炎を起こすのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ドケルバン病は、手関節の橈側にある第1背側区画を通る長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の腱鞘に炎症が生じる狭窄性腱鞘炎です。これらの腱が親指の使いすぎなどにより摩擦を受け、炎症や肥厚を起こすことで痛みが生じます。
選択肢ごとの解説
- 1. 固有示指伸筋腱は、総指伸筋腱と一緒に示指を伸展させる筋肉で、ドケルバン病とは直接関係ありません。正しくは:ドケルバン病で炎症を起こすのは長母指外転筋腱と短母指伸筋腱です。選びやすい理由:手の伸筋腱の一つであるため、手首の疾患と関連があるように見えるかもしれません。混同注意:手首周囲の他の腱炎と混同する可能性があります。
- 2. 尺側手根伸筋腱は手首の尺側(小指側)に位置し、手首を尺屈・背屈させる役割がありますが、ドケルバン病とは直接関係ありません。正しくは:ドケルバン病で炎症を起こすのは長母指外転筋腱と短母指伸筋腱です。選びやすい理由:手首の伸筋腱群の一部であるため、関連があるように感じられるかもしれません。混同注意:手首の他の腱炎(例えば、尺側手根伸筋腱炎など)と混同する可能性があります。
- 3. 総指伸筋腱は、第2指から第5指の指節骨を伸展させるための腱であり、ドケルバン病の病態には関与しません。正しくは:ドケルバン病で炎症を起こすのは長母指外転筋腱と短母指伸筋腱です。選びやすい理由:手の甲側にある主要な伸筋腱の一つであるため、手首の痛みと関連付けてしまいやすいかもしれません。混同注意:他の一般的な伸筋腱炎と混同する可能性があります。
- 4. 正解。ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)は、母指の使いすぎにより、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱が通る手首の橈側(親指側)の腱鞘に炎症が起こる疾患です。特に長母指外転筋腱は病態に深く関与します。
- 5. 長母指伸筋腱は、母指IP関節を伸展させる筋肉の腱であり、ドケルバン病が起こる第一背側区画ではなく、第三背側区画を通ります。ドケルバン病では主に第一背側区画の腱が炎症を起こします。正しくは:ドケルバン病で炎症を起こすのは長母指外転筋腱と短母指伸筋腱です。選びやすい理由:「母指」という言葉からドケルバン病と関連があるように見え、また「伸筋腱」であるため、病名から連想しやすいかもしれません。混同注意:短母指伸筋腱(ドケルバン病に関与)や、手首周辺の他の母指に関連する腱(例えば、長母指屈筋腱など)と混同する可能性があります。長母指伸筋腱は、交差症候群の病態に関与することがあります。
国試ポイント
ドケルバン病における解剖学的知識(どの腱が関与するか)が問われています。特定の疾患と関連する解剖構造を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
母指に関連する他の腱や、手首の他の伸筋腱(長母指伸筋腱など)と混同しやすい。特に長母指伸筋腱は母指の伸筋であるため選択肢として魅力的に見えやすいが、ドケルバン病の病態部位とは異なる。
次に同じ論点が出たら
今後同じ論点が出た場合、ドケルバン病の関連腱だけでなく、他の腱鞘炎(ばね指、交差症候群など)に関与する腱や、各腱鞘区画を通る腱の組み合わせが問われる可能性があります。
関連知識
ドケルバン病の診断にはフィンケルシュタインテストが用いられること、好発部位が授乳期の女性やタイピストなどであること。腱鞘の6つの区画(第1区画:長母指外転筋腱・短母指伸筋腱、第2区画:長・短橈側手根伸筋腱、第3区画:長母指伸筋腱、第4区画:総指伸筋腱・固有示指伸筋腱、第5区画:小指伸筋腱、第6区画:尺側手根伸筋腱)の知識。