我が国の65歳以上の高齢者における軽度認知障害〈MCI〉の有病率として適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
軽度認知障害(MCI)は、正常な老化と認知症の中間に位置する状態であり、日本の65歳以上の高齢者における有病率は疫学調査によって約15%と報告されています。これは、認知症への移行リスクが高い集団として、早期発見と介入の重要性が認識されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 軽度認知障害(MCI)の有病率は5%よりも高いとされています。正しくは:一般的にMCIの有病率は15%程度とされています。選びやすい理由:比較的低い数字のため、認知症の初期段階であるMCIの患者が少ないと誤解して選んでしまう可能性があります。混同注意:軽度認知障害(MCI)と、より進行した認知症の有病率を混同している可能性があります。
- 2. 正解。日本の65歳以上の高齢者における軽度認知障害(MCI)の有病率は、様々な研究で約15%と報告されています。これは、認知症に移行するリスクが高い集団として注目されています。
- 3. 軽度認知障害(MCI)の有病率は35%まで高くはありません。正しくは:一般的にMCIの有病率は15%程度とされています。選びやすい理由:MCIの概念が広範であるため、その有病率が高いと誤解して選んでしまう可能性があります。また、認知症予備軍という認識から、想像以上に数が多いと考えてしまうかもしれません。混同注意:認知症全体の有病率や、何らかの認知機能低下を訴える高齢者の割合と混同している可能性があります。
- 4. 軽度認知障害(MCI)の有病率は50%には達しません。この割合は非常に高く、現実的ではありません。正しくは:一般的にMCIの有病率は15%程度とされています。選びやすい理由:日本の高齢化率が高いため、何らかの認知機能低下がある人の割合が高いと考えて選んでしまう可能性がありますが、これはMCIの定義とは異なります。混同注意:高齢者人口における認知症および軽度認知障害の合計数や、何らかの軽度な物忘れを経験する高齢者の割合と混同している可能性があります。
- 5. 軽度認知障害(MCI)の有病率が70%というのは、実際のデータから大きくかけ離れています。正しくは:一般的にMCIの有病率は15%程度とされています。選びやすい理由:高齢者における物忘れの頻度を過大評価し、それがすべてMCIに該当すると考えてしまう可能性があります。混同注意:高齢者における一般的な物忘れや、非常に軽微な認知機能の低下を訴える人の割合と混同している可能性があります。
国試ポイント
この問題は、高齢者の主要な健康課題である軽度認知障害(MCI)に関する基本的な疫学データ(有病率)を問うものです。認知症に関する知識と合わせて、MCIの定義や特徴、そしてその規模感を把握しているかが試されます。特に数値データは正確に覚えている必要があります。
混同注意
認知症の有病率(MCIよりも低い)や、加齢に伴う一般的な物忘れの頻度と混同しやすいです。また、MCIの定義が「正常」と「認知症」の間に位置するため、その境界線が曖昧で、有病率の推定も研究によって多少のばらつきがある点を考慮すると混乱しやすいかもしれません。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、軽度認知障害(MCI)の定義、診断基準、サブタイプ(健忘型MCI、非健忘型MCI)、そして認知症への移行リスクに関する具体的な数値や要因が問われる可能性があります。また、MCIに対する介入(運動、認知トレーニングなど)の効果に関する知識も重要になります。
関連知識
軽度認知障害(MCI)の定義(記憶障害があるが、日常生活動作はほぼ自立している)、MCIから認知症への移行率(年間10〜15%程度)、MCIの診断基準(例:MCIに関する主要なガイドラインの基準)、認知症の各病型の有病率、日本の高齢者人口の推移とMCI・認知症患者数の将来予測。