作業遂行要因の評価法の説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
AMPSは、日常生活活動における具体的な作業遂行中に観察される運動技能(例:姿勢、操作、協調性)と処理技能(例:情報処理、順序付け、問題解決)の質を評価する標準化された評価ツールです。この説明はAMPSの目的と内容を正確に表しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 意志質問紙(VQ)は、クライアントの環境内での意志の表出と参加を観察によって評価するツールです。満足度を直接的に評価するものではありません。正しくは:意志質問紙(VQ)は、環境と相互作用する上での、個人の意志の質とパターンを評価します。選びやすい理由:「意志」という言葉から、内的な感情や満足度と結びつけやすいかもしれません。混同注意:患者の主観的な満足度を測るツール(例:COPMの満足度)と混同しやすいです。
- 2. 正解。AMPSは、実生活における課題遂行中のクライアントの運動技能(手先、姿勢、操作など)と処理技能(情報処理、計画、順序付けなど)を標準化された方法で評価するツールであり、この説明は正しいです。選びやすい理由:AMPSが単にADLの評価ツールだと認識している場合、技能の具体的な内容まで理解していないと判断に迷うかもしれません。混同注意:ADLの遂行度を評価する他の尺度(FIMなど)と、ADL遂行中の『技能』を評価するAMPSの目的を混同する可能性があります。
- 3. 興味チェックリストは、対象者が過去・現在・将来にわたって関心のある活動や興味の幅を把握するためのツールであり、特定の作業の到達度(パフォーマンスレベル)を評価するものではありません。正しくは:興味チェックリストは、対象者の興味や関心の範囲を把握し、作業選択の参考にします。選びやすい理由:「チェックリスト」という形式から、何かを達成したか否かの「到達度」をチェックするものと誤解するかもしれません。混同注意:目標達成度を評価するCOPMや、具体的な活動能力を評価するADL尺度などと混同しやすいです。
- 4. 役割チェックリストは、対象者が現在、過去、将来において果たしている、または果たしたい役割を特定し、それぞれの役割に対する関与度や価値を評価しますが、直接的に「役割の認識度」や「役割の数」だけを評価するものではありません。特に「認識度」という表現は不適切です。役割に対する満足度や価値観なども含めて評価します。正しくは:役割チェックリストは、対象者が果たしている役割の特定、その関与度、および役割に対する価値観を評価します。選びやすい理由:「役割」という言葉から、その人がどんな役割をどれくらい持っているかを数えるものと捉えやすいかもしれません。混同注意:社会的な役割の概念と、それを具体的にどう評価するかというツールの目的を混同しやすいです。
- 5. COPMは、クライアントが自己選択した重要な作業について、遂行度(パフォーマンス)と満足度(サティスファクション)を自己評価するツールです。「他者からの認識度」は評価項目に含まれません。正しくは:COPMは、クライアントが自己選択した作業について、現在の遂行度と満足度を評価します。選びやすい理由:「認識度」という言葉が、クライアント自身の主観的な評価と混同されやすいです。混同注意:作業の重要度はCOPMの評価項目に含まれますが、『認識度』という曖昧な表現が「満足度」と誤解されやすく、また『他者からの』という部分が誤りです。
国試ポイント
作業療法における主要な評価ツールの目的と評価項目を正確に理解しているかが問われています。特に、各ツールの具体的な評価内容や、評価対象となる側面(例:技能、興味、満足度など)の違いを把握していることが重要です。
混同注意
各評価ツールの名称と、そのツールの評価項目や目的が混同されやすいです。特に『〇〇度』という表現が複数存在する中で、それぞれの『度』が何を指すのかを明確に区別する必要があります。また、客観的評価と主観的評価の区別も重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が問われる場合、各評価ツールの『評価尺度』や『評価方法(観察、質問紙、面接など)』、さらに具体的な『評価項目』が問われる可能性があります。また、特定の疾患や障害を持つクライアントにどの評価ツールが適しているか、という臨床応用能力を問う問題も想定されます。
関連知識
MOHO(人間作業モデル)に基づく評価ツール(VQ, 興味チェックリスト, 役割チェックリスト)、CBT(認知行動療法)と関連する評価、および活動分析と技能分析の基礎知識、評価結果の解釈と臨床推論。各ツールの適用対象、評価方法、結果の解釈、臨床的意義。