運動機能の特異的発達障害をもつ児について誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第55回作業療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
運動機能の特異的発達障害(DCD)は、不器用さやぎこちなさ、運動技能の習得の遅れを特徴としますが、チック症状はDCDの主要な診断基準や随伴症状ではありません。チック症状は主にチック症やトゥレット症候群で認められるものであり、DCDとは異なる神経発達症群に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。運動機能の特異的発達障害(DCD)は、神経発達症群の一つですが、チック症は別の神経発達症(例:トゥレット症候群)であり、DCDに必ずしも合併する症状ではありません。DCDの診断基準にはチック症状は含まれていません。正しくは:チック症状は、運動機能の特異的発達障害の主要な症状ではありません。選びやすい理由:発達障害全般で様々な合併症が見られるため、他の神経発達症との関連性を疑い、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:チック症と運動協調運動症の概念。チック症は不随意運動であり、協調運動の問題とは異なる。
- 2. DCDの子どもは、微細運動技能に困難を抱えることが多いため、ボタンかけのような手指の協調性や器用さが求められる活動は苦手とすることが一般的です。正しくは:運動機能の特異的発達障害では、ボタンかけのような微細運動が苦手なことが多いです。選びやすい理由:正解肢を探す中で、これが問題文の「誤っている」内容に当てはまると勘違いする。混同注意:DCDの中核症状と、そこから派生する日常生活上の困難を混同する可能性。
- 3. DCDの子どもは、粗大運動技能、特にボールを捕る・投げるなどの協調運動に困難を抱えることが多いため、ボール遊びは苦手とすることが一般的です。正しくは:運動機能の特異的発達障害では、ボール遊びのような粗大運動が苦手なことが多いです。選びやすい理由:正解肢を探す中で、これが問題文の「誤っている」内容に当てはまると勘違いする。混同注意:DCDの中核症状と、そこから派生する日常生活上の困難を混同する可能性。
- 4. DCDの子どもには、姿勢制御や運動計画、身体図式の形成など、感覚情報の統合に困難を抱えるケースが多く見られます。そのため、感覚統合療法は、これらの基盤となる感覚処理を改善し、運動機能の向上に繋がる有効なアプローチの一つと考えられています。正しくは:運動機能の特異的発達障害に対しては、感覚統合訓練が有効な場合があります。選びやすい理由:正解肢を探す中で、これが問題文の「誤っている」内容に当てはまると勘違いする。混同注意:感覚統合障害とDCDの関係性を理解していないと誤解する。DCDは純粋な運動障害だけでなく、感覚処理の問題を伴うことがある。
- 5. DCDの子どもは、一般的な教え方では運動スキルの習得が難しいため、反復練習や分解された課題、視覚的な手がかりなどを用いて、特定の技能を直接的かつ具体的な方法で教える指導法(タスク志向型アプローチなど)が特に有効とされています。正しくは:運動機能の特異的発達障害に対しては、特定の技能を直接的に教えることが有効です。選びやすい理由:正解肢を探す中で、これが問題文の「誤っている」内容に当てはまると勘違いする。混同注意:DCDの指導アプローチに関する知識が不十分だと、これが適切ではないと誤解する可能性。
国試ポイント
運動機能の特異的発達障害(DCD)の臨床症状、合併症、および支援・治療アプローチについて、正確な知識が問われています。特に、DCDの主な症状ではないものを見極める能力が求められます。
混同注意
他の神経発達症(例:ADHD、自閉スペクトラム症、チック症)の症状や合併症とDCDの症状を混同しやすい。DCDと感覚統合障害との関連性も理解しておく必要がある。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、DCDの診断基準、中核症状、およびDCDに特異的な合併症ではないもの、効果的な介入方法の知識が問われると推測されます。特に鑑別診断や治療的アプローチの具体的な内容に注目して学習することが重要です。
関連知識
運動機能の特異的発達障害の診断基準(DSM-5)、主な特徴(粗大運動・微細運動の困難)、関連する二次的な問題(自己肯定感の低下、学習困難など)、具体的な支援方法(タスク志向型アプローチ、感覚統合療法、運動学習の原則に基づく指導など)。